六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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30: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:03:20.00 ID:6rZ5mY140
……。理不尽だ。意味が分からない。この光景、理解不能な現象。
丹生谷「小鳥遊さん、待っているんだからね!」
その言葉が脳内に思い出される。正確にはそんな言葉は聞いていない。俺の中の丹生谷の話だ。誰かが今の俺のために叱りつけている。未来から飛んできたような変な感覚。
丹生谷……。こういうとき丹生谷だったらどういう対処しているかな。怒っているから相当なことで……。六花は本気なんだ。それ以外は不要だったんだ。最初からこじれた関係からの諦めリタイアを望んでいるのは、いじけた六花のほうじゃなくてそう思っている俺の方だった。六花は悪くない。現実逃避したのは俺だ。あいつは最初から訳があってあんなことをやっているんだ。やっぱり原因があるんじゃないか。それをないがしろに扱って俺というやつは。じゃあ、本気を行使しようか。おそらく一回目覚めたら世界は世紀末的に消滅するだろうな…..と意気込んで。
勇太「ごめん」
そうひと謝りしてから。
勇太「小鳥遊六花。いや邪王心眼。お前に話がある」
六花「うん」
勇太「世界の未境地まで行く準備はできてるか」
そうすると、六花の口元が、かなり、見えるほど大きくなっていった!
勇太「長い話になる。それを俺の刻印と共に受け入れるんだな。ラスト・ボスの大戦に備えろ」
すぐに彼女はマンションの方角へと顔を反らした。居ても立っても居られない、その顔は一瞬しか見れなかった。だが元気になったようでほっ、と安堵感が極まりない。
俺は一回六花とともに部屋に入り、自分の用意を済ませる。封印されしダンボール箱の中からチャカチャカ音をかき分けて、あった。段ボールの中から大事な宝物を、まるで財宝を奪うように手に取る。ガンと短ブレードと軍隊用ベルトを手に持ち、昔使っていたケースの紫色の布の中の、指定された形まではめ込む。おかえり俺の仲間たち。いい意味で言うなんて思ってもなかったぜ。恥ずかしいけど、でも今の俺は少しだけでもいいって思えるんだ。この道具、服。警察に捕まったらあれだけど、でも今日だけは国家権力を敵に回すのもかっこいいかなって心がくすぐられるんだ。ダークフレイムマスターの服を着て、キメ台詞を言った後ポージングと合わせる。うん、忘れていない。グローブをはめて、だけど心配だから手の甲にある紋章を確認してからもう一度指の先までしっかり引き延ばす。懐かしい姿を取り戻した。ダークフレイムマスターといえばこの相棒、例の巨大なソードを、傷のつかないよう玄関まで特別優待で持っていき、また部屋に戻る。もう持っていく物のないことを気持ちで理解して、だんだん緊張してきた。心臓を呼吸を正して労う。とうとうなんだな……。告白文を読む。しっかりと、じっくりと、ゆっくりと、ねっとりと。今日の朝からでは予想できない。頭に叩き込んだら。アレはあるな。絶対忘れるなよ!よしこれで準備OK!
携帯はどうしようか。この前携帯に鳴らされてファーストキスができなかったから。それを思うとこの折り畳んだ携帯が悪魔に見えてくる。運が悪そうだ。置いておこう。
幼稚園レベルの夢葉に俺遅れるから9時には戻るって、後ろ指をさされない年を狙って報告し、後でちゃんと言ってくれるかなと不安になりつつも漆黒の靴を履く。すると六花も、だがなんとそのままの状態ででてきた。
勇太「着替えなくてもいいのか?」
六花「これは私のお気に入りだから」
その意味……最初に俺が六花の部屋にお邪魔したときその服で、一緒にチョコレートケーキ食べたよな。俺に合わせてくれるように、六花も俺に合わせてくれる。その衣装は上級契約の時もそうだった。そして今に至ろうとしている。なんだか目がじわっと熱くなっていくものを感じる。ダメだ!弱みを見せちゃだめだ!
分かった先に降りると言い階段を降りる。昇降口まで降りたとき、あ、遠くに出かけるんだから自転車の鍵いるんじゃないかとドジを見せて、カタンカタンと階段の踏み鳴らす音が段々盛大になる。六花の行きとばったり交差する。自転車持ち上げて、出して、と六花に命令して時間短縮を図る。
鍵を取り再び玄関に行く。六花とどうしようか。あった鍵。不安だ、噛んだらどうしようか。でも今更だしなあ。ああだめだナーバスになるな俺!
ドンガラガッシャ―ンガッシャーンガッシャーンチャリンチャリンカタカタカタ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ああもう何やってんだよあいつ!!知らん!もう知らん!あいつが起こしたんだからあいつがやれ!!どうせこき使われるぞ!そう思い俺はじっと玄関で座り自転車の機械の音を聞く。一つの自転車の転げる音を聞く。女性の踏ん張る音が聞こえる。そしてまた自転車の転げる音を聞く。……。だけど少ししたらその声だけで音はしなくなった。地面を引きずる音を聞く。
……。暫くするとまた無音になる。何もない安心が不安を誘う。あいつ大丈夫か?


六花「いたっ!」


りっかぁ!!!!!!



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