六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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3: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:45:38.63 ID:6rZ5mY140
うーんとしばらく考えて、あっ、今気づいた。将来か〜。そっか高校で人生終わるわけじゃないんだよな。実はまだ高校二年生の秋になって大学や社会経験のことはまだボヤっとしか実感がわかないのだ。漫画の中の人の描くストーリーみたいに将来どうするかなんて俺から遠ざかった世にも奇妙な架空話みたいに思える。俺の高校の先生もクラスメイトもこれこれ大学に行きましたと熱く語っていたり、志望校に向けて勉強しているんだと嬉しげに話している友人など聞いただけでその後の続報もないから、大学時代何やるかってこと自体、上の空だ。俺も大人の将来のことなんか知らなくてもいいっていう皆の雰囲気に流されている。例えば、いままで高校生活が順風満帆で将来のことを少年ジャンプの最終回のように俺たちの旅はまだまだ続く!完みたいに考えていなかったのだ。だからその将来性のなさに丹生谷が激怒した、ということか。それなら合点がいくな。
勇太「俺はバカじゃないし。確かにキスもせず毎日無イベントで過ごす俺が悪かった。なんかしらアクションを起こさなきゃって思っていつか起こすよ。そうだな〜半年後で良いだろう。ごめんな丹生谷。でも人間関係が原因でチア部辞めて演劇部に入りつつも俺たちの部活に入ってきては不倫するようなお前よりかはるかにましだ。グッバイモリサマー様^o^」
丹生谷はその発言にキレて、逆にキレすぎたのか落ち着いて、拳をグーにして彼女のきれいな肌のおでこに付け小声で変なことを言って、真顔のしおらしい女性の気品を醸し出す端正のある顔つきになる。その大人の女性のモデルのような一面を知らず俺はドキッとなる。
丹生谷「富樫君、小鳥遊さんのこと、本当に好き?」
勇太「うん、恥ずかしいけど正直は」
丹生谷「ねえねえどれぐらい好き?世界の中心で愛を叫びたいぐらい好き?」
勇太「懐かしいなぁあったそれ。えっと……。恥ずかしいから言わなくてもいい?秘密だからな」
丹生谷「そんな態度じゃ他の男性に取られるんじゃないの?」
勇太「ぐっ……。痛いとこを!でも関係ないだろ!」
丹生谷「でも小鳥遊さん、心の中では富樫君待っているわよ?普段顔に見せないだけで富樫君の告白をずっと待ち続けているのよ。いつ来るかな!今日だったらどうしよう!って。小鳥遊さんには富樫君しかいないって知っているでしょ。なのにかわいそう……」
勇太「ああ!わかったよ!!!俺が悪かった!言えばいいんだろ!!今回だけだぞ。はぁ……。すぅ。 誰にも負けないぐらい知ってる!宇宙で一番愛してる!!!! はい言った!」
狂った発言だよなと思うと、体の興奮も恥ずかしさで止まらなくなりその自分を戒めるべく重心の暴れ回る乗り出した体を元に戻す。
丹生谷「へえ〜。じゃあその思い、いまから小鳥遊さんにしてみよっか?」
勇太「ええっ!!やだよ〜!ほら、そんな勇気無いし。いつか、うん!」
丹生谷「大丈夫よ!大丈夫よ!あんた告白だってできたじゃない!未キスのこと聞いたけど富樫君やるときはやるって私感心しちゃったのよ!今度だってできるわよ!不可能じゃない!フレフレファイト〜頑張る男の子に小鳥遊さんメロメロ!勇太の勇は勇気の勇!あんた部活で一番誇れる男の子なんだからできるわよ絶対!」
丹生谷って悪意なく俺のこと真剣に人間を見ていてすごくびっくりした。心臓に刺さる。
勇太「いやいやそんなことないって!そこまで褒められるほど人間出来てないし。丹生谷ほど評判良くないし…….。照れるだろやめろよ///」
丹生谷「じゃあ練習してみよ。六花愛してる。はい!」
急な拒否感が否めない。なんでそこまでして求めたがるんだろう?所詮赤の他人なんだしさ。でもそんな赤の他人に時間を削っておだててくれる。丹生谷ってそういう面あったよな。お節介だけど自分をのし上がらせることせず皆の事誰よりも心配していて。俺一人では怖いがそのやさしさが嬉しかった。俺の事一番知ってそうだし俺のためってわかってる。丹生谷もたくさん友達いるけど俺もその一人に入っているのかな。心のことできるだけ本番以外で言いたくないんだけど、そこまで背中を押してくれるならきっと何かがあっても助けてくれるだろう。甘えちゃダメなのかな。いいやひょっとしたら奇跡を信じてもいいかもしれない。そんな恩師に特別やらないこともない。
勇太「え、今。うーん。だめじゃないけど、そこまでいうならやらないこともないというか」
俺は少し咳払いをして、男の鈍い声を準備しきりっとした表情で、冷静な空間を構築する。
勇太「六花愛してる」
すっごく焼けるように恥ずかしいけど。もう二度と言うか!!
驚いたことに、真顔から高じた丹生谷は手を頬に挟み、頬も突然赤く染まり、目も大きくパッチリした。
丹生谷「えっ!!!!!!!!!!!かっこいいーーーー!!!!!!!きゃーーーーーーーー!」
丹生谷「すごい、富樫君あたしドッキドキになっちゃった!」
えっ!嘘だろ!あの丹生谷に、スタイルも顔もいいしクラスの仲が良くて成績も顔もいいすごいお方に褒められるなんて!俺は顔が赤くなってしまいこんな単純なことで幼稚園児のように喜ぶことがバレたくなくて手で覆い隠し、目にゴミが入ってうつ伏せになっただけなんだポーズをとる。
やったよ〜感激だぜ〜!あの丹生谷に感激されるなんて!今日は祝いコーラだ!!
よしっ!と親指でガッツポーズを取り、でも幸せすぎて怖くなりファイティングポーズを無意味にシュシュっと隠れて拳を突き出す。でも嬉しいな〜!
丹生谷「よし、できてる。完璧」
何が完璧なんだと?疑問に思い、浸った照れと喜びもひっこんで顔を上げると、丹生谷は与えるように口角を上げる。
あっ……お前は……!時すでに遅し、丹生谷の座る後ろから携帯“刺客”を手に取り、じゃじゃーんっと効果音SEの鳴りそうな存在を見せつけた。まさか録音してないだろうなおい!その笑みが不敵に微笑を浮かべ、あーあ録っちゃった逆襲成功♡みたいな軽蔑の顔を見せる。


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