六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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4: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:46:17.15 ID:6rZ5mY140
勇太「違う……。違うんだ!返せ!!!」
まずいまずいまずいまずい!!!こいつ何を企んでやがる!返せ!手を伸ばし避け続ける丹生谷のモノを死ぬ気で取りに行く。丹生谷から髪がなびいて良い匂いもするし、丹生谷のおめめぱっちりでかわいい小顔をドアップで見ると、遠慮したくなる気持ちも湧くがそんなの関係ない。ちょっと止めてキモイ!や!いや!きゃ!の女の子らしい態度を身代わりにしても無駄だ―!俺の黒歴史の代表格であるダークフレイムマスターの存在をあちこち広めやがって!もう俺は中二病から卒業したんだ!こんな笑顔振りまいて後から本心をズタズタに引き裂く心の悪魔に俺の人生を踏みつぶされてたまるか!それ返せ!
押している。この勝負だいぶ優勢だなと優越感に浸るとその思考は正しいのか不安になり、気が付くと戦闘の最中に、丹生谷の肩の上の空間に俺の腕が動き回るほど近くなり半場抱き合あおうとする二人みたいに見て取れる図ができてしまった。もし拍子に俺が倒れたら間違いなく勘違いされるような、セクハラじみた抱き合う状態の姿勢になる。というか俺が積極的に抱き合おうとしてるみたいじゃないか!!丹生谷も冷静になり体を丸めてきゃあああああ!と天井に向かって叫ぶ。知られたら逮捕行じゃんと肩を落とし急に青ざめる。あ、っと思った丹生谷は携帯を自ずから衿をつまんで奈落のホールに落とし、落ちた先の膨らんでいる胸を、下から腕で抱える体勢で胸がバウンドする。どうやら携帯を胸の中に入れたらしい。チャンスじゃん!場所が分かったらもらったあ、と疾風の風圧を押し飛ばし最後の手を伸ばす。
丹生谷「きゃ!」
抱えた胸を遠くに反らし本気でやめてほしい目つきで俺を見てくるので、俺は追うのをやめ手を下げる。
とすると、悲しそうな俺の顔を見て、おらおらみってみなさいよほしいんでしょハッ!と嘲笑みたいに笑みを浮かべる。
くっそーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!あああああああああああああああああ!
こいつ!こいつ卑怯だぞ!俺はぐぬぬ動画を見ているかのようにしばらく反抗的に眉をひそめて丹生谷を睨みつけるけれど丹生谷は口に手を仰ぎ、うんうんかわいそうだよね!と笑いながら見下すように見てくる。
丹生谷「これで分かったでしょ。消してほしかったら私の言うこと聞きなさい」
まるで誘拐犯のように!人の心がないのか!
丹生谷「小鳥遊六花さんに告白しなさい!この1か月間に!できたら私に報告すること!」
この内容だと無理じゃないけど、他人にせかされるなんて!命に代えるほど重要じゃないから放ってもいいか……。でも黒歴史が、しかも六花に先にネタバレされちゃなんかかっこがつかないからやだ!
仕方なく白旗を上げ、鳥の羽にインクをつけ羊毛紙に記載しポツダム宣言を受け入れる俺。
まあでも悪くはない気がする。大学前にキスして離れ離れになっておしまいよりかはキスして高校生活を一日一日大事にするというのも目の前のぼんやりとした不安への唯一の希望ができる。それにマンネリも避けられていいな最近ルーティンを感じてきたし。
勇太「わかった」
というと、なぜかホッとした顔つきになった丹生谷が今度はワクワクしてるのか肩を揺らして体を震わし、何かを考えているかと思えば段ボールから恋愛雑誌のおそらくサンプルだろう、1冊を弟子に伝授するかの如く重たい空気を醸しながら俺に渡した。
丹生谷「いい!わからないことがあったら、雑誌を見なさい!このために買って来たんだから!わかったわね!あんたの命運がかかってるんだからね!」
見出しを見るに風水だとか占いだとかの情報が大半占めてそうだけど。
丹生谷「それと、これ」
ねえ、それってやばい奴なんじゃ。丹生谷の持ってきたその紙、それはあらゆるものや行為を許す金ぴかの代名詞、お金を、しかも3000円を差し出した!
これには目をくらます。責任重大だろ。俺なんかがもらっていいのか働いたわけでもないのに。俺の目を真っすぐ見てくる本気のオーラをくぼみとってしまい思わず気が引けた。丹生谷の金なんだからその分使っちゃえばいいのに。だけど何も恐れずその姿勢を変えない態度に、俺は硬直し、成功を願っている思いが深層心理を動かす。
乱暴な性格でも六花と俺の将来のことを考えてくれる。丹生谷って根はやさしい奴なんだよな。やり方はあれだけどさ。俺にはまねできないけどそんな性格が好きだ。いつか六花にもしてあげたいと思っている。そして冷静になって考える。
いいのか、なんて聞ける立場じゃなかった。手に持っている3000円をしっかり受け取る。俺だって男だからやるときはやりたい。全力で!
丹生谷「絶対に小鳥遊さんを悲しませないでよ。もし電話一本でも貰ったら、もらったらぁあ!!藁人形にあんたの名前を消えないインクで書いて、久遠の因縁まで呪い殺すわよ!!!!!!」
ヒッ!
金銭を身代に告白を成功させろと負荷をかけたのかよ!怖いわ!心が波乱でもやもやするけど。よし、じゃあやってやるよ!そこまで願ってるんだ!誰もが見たことない恐ろしいレベルなんて玉じゃない告白ってもんをなあ、見せてやるよ!
3000円をポケットにしまい、再び顔を向けると一種の不安がよぎる。
そのやさしすぎる信念はあまりにも不気味すぎる。いいこと言っちゃって〜実はまた俺からなんかせびり取ろうとしてるんじゃないか。
勇太「なんで俺のことそんなに気にかけてくれるんだ?他人だから関係ないだろ」
丹生谷「勘違いしないでよ。私はね、あんたのことが好きじゃなくって、いやそれに近いけど違うっていうか、不器用な人を見るとつい動きたくなるっていうか、みんな幸せであればそれでいいっていうスタンスで動いてて、そんな性格だから気にしないで」


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