23: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:58:12.89 ID:6rZ5mY140
そして河原の草原中央までついた俺は、ほら降りろと促してもカメムシのマネって言ってくるリッカスを下敷きに俺の両手両足を草地に伸ばして大の字になり「い、いたい、痛い!」の楽しい声を鑑賞した。俺の背中を殴るように動き出た六花は、目の前の河原の草原に走って満足している。安らかな青空、ああ背中が癒される。時計を見ると時刻は4時30分のそろそろ夕刻を指している。小学生らしき身長の子供が遠くの方で遊んでいるのを音で聞く。そよ風が気持ちいい、とくに背中に六花を乗せたので汗びっしょりだ。何もなく静かで何にも感じない世界。そのとき弁当の時の静かすぎる暗闇を思い出す。あれはなんだったんだろう?なぜ六花はあんなことに?普通じゃないのに普通だと思う謎の理由は?まあそのうち忘れるだろう。でも、ほんとにそれでいいのか……?
ん?そういえば六花は今どこにいるんだ?と、振り向くと車道の近くの草原に触って何かやっているらしい。
勇太「おーーーい!危ないぞ!!」
俺が手を振ると六花は手を振り返してくる。そういう意味じゃないっての!すぐに戻ってきた。六花は、横たわっている俺の腹を片手で上からかざすように回している。
勇太「なにやってんだ?」
六花「治癒魔法」
うい〜ういうい〜。
皮肉か!皮肉か!やるか!おっ!?
お前のせいで疲れたのに……。
六花のもう片手の方をなぜか背に隠しているので見ると、急に手を後ろに回して何やらして、俺の方に変なものを見せてきた。
六花「みてみてー!花輪できた!ウロボロス状!」
勇太「すげーな!ちゃんと8の字だ!」
ウロボロスといえば∞のマークに同じと覚えている。さすが六花だ、国語と社会と裁縫と運動神経に関しては世界一をとってもおかしくない!
六花はこれと言って、表彰する。平成29年11月うんにち、おめでとう!と俺何にもしてないのに敬具をもらった。俺は頭を下げ∞の冠をかぶりどこかの国の人になった。嬉しいけど嬉しいのかよく分からない。
六花「似合う」
俺の姿を誇るようなその嬉しそうな顔がたまらなく好きで、疲れが一気にちゃらになり、忘れられない一日となった。六花からの愛情プレゼンツはこれでおしまいだと思う。今日は遊びすぎたかな。色々あったよな。一週間待ってもらったお礼にお釣りが出ると思う。また今度草原や公園に来て一緒に遊ぼうよ。進化に向かって一歩一歩だけど。時々方角も間違えるけどでもなんとかなるさ。今も昔も未来もちょっとずつでも六花の進歩をまだ見てみたいと思った。
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