13:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 16:52:04.07 ID:GlK7P5xA0
「ち、違……私そんなつもりでは……反省しますから……」
「あんたがどう思ってるかなんてどうでもいいのよ」
「現に私がこう感じたことに変わりはないんだから」
14:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 16:53:25.10 ID:GlK7P5xA0
……
足取りさえおぼつかない状態ながら、なお余りある強大な力で小規模の結界を展開する。
今から見せる無様な姿を千里眼に捉えられ、悟られることがないように。
15:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 16:54:47.90 ID:GlK7P5xA0
「くっ……う、ううぅぅ……!」
涙をとめどなく溢れさせ、悲嘆に暮れる。これほど辛い経験なんて久しく味わってはいない。
なにしろ、今まではいつも側で支えてくれる相手が居たのだから。
16:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 16:56:04.84 ID:GlK7P5xA0
だからと言ってただ逃げたとしても全力で探しにくるだろうし、事情を説明し離れようとしても付いてきてしまうだろう。
喜ばしいはずの好意の深さまでもが枷となっていた。
ならば、その好意を崩してしまえばいい。修復不可能なほどに。
きっぱりと切り捨て、私じゃない相応しいパートナーを見つけてくれればいい。
17:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 16:58:13.44 ID:GlK7P5xA0
……
飴を舐め、平静を保ちつつ教室へと歩を進める。
今は私が一方的に嫌ったという関係にある。私を切り捨ててもらうなら、向こうから嫌われる必要があるわけだ。
18:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:00:01.28 ID:GlK7P5xA0
だめだ、ラフィエル本人は自分に非があると思い込んでしまっている。これじゃ何をしても自分を責めるだけだ。
どうしたものかと考えていると、視界の端に紫色の髪が揺れた。
「おはよ、サターニャ」
19:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:00:42.78 ID:GlK7P5xA0
「……え?」
「何馴れ馴れしく話しかけてるの? って言ってるんだけど」
「な、何言って……」
20:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:01:34.09 ID:GlK7P5xA0
暴挙を目の当たりにし、視線に敵意が宿る。
無論ヴィネットだけではない、ラフィエルにも。
なんでこんな酷いことが言えるんだ、と何処か他人事な自分がいた。
そうでもしないと、心が保ちそうにないから。
21:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:03:04.82 ID:GlK7P5xA0
「……ご名答、この飴なんだけどね」
途端、全員の目が少しばかり穏やかなものに変わる。
なんだ、何かと思ったら魔界通販のせいか……そんな日常の一コマに過ぎなかったのか、と。
22:名無しNIPPER
2018/01/03(水) 17:04:41.55 ID:GlK7P5xA0
「……私なりに悪いやつじゃないとは思ってたんだけどな、失望したよ」
「友達ごっこに本気になって、ほんと単純なやつらね」
ちらりとラフィエルの姿を横目に見やる。
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