北条加蓮「アタシ努力とか根性とかそーゆーキャラじゃないんだよね」
1- 20
49: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/12/31(日) 23:17:13.46 ID:vyCd+JK40
 それからガチャリとドアが開き、プロデューサーが部屋に入ってきた。

「乃々が人さらいに連れてかれたよ」

 杏が言った。

「廊下ですれ違ったから知ってる」

「そか、杏もそろそろ行くから、後払い分は?」

「はいよ」

 プロデューサーは鞄から飴を取り出して、杏に渡した。

「……3つか、加蓮ちゃん、手出して」

「え」

 杏はその飴をひとつ、アタシの手に乗せた。

「それから、はい」

「俺ももらっていいのか」

「ばか、乃々のぶんだよ、ちゃんと届けてよ」

 杏が荷物をまとめる。といっても、バッグがひとつと、ウサギのぬいぐるみだけだけど。

 ドアの前に立ち、杏はプロデューサーを見上げて、「ありがとね」と言った。

「双葉に礼を言われたって、自慢していいかな?」

「好きにすれば」

 それから杏はアタシのほうに目を向ける。

「そうそう、前にその人が担当してたアイドルね、どこか、加蓮ちゃんに似てたよ」

「……どういうこと?」

「さあ? 好みのタイプなんじゃない? じゃあね」

 悪戯っぽい笑みを残して、杏が部屋を出て行く。

「余計なことを」

 とプロデューサーがつぶやいた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
59Res/85.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice