ボク/ワタシが如何にして時間の夢を美穂さんと見るのか
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名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:27:20.85 ID:cO+HlQy0o
+03
以下略
AAS
10
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:27:48.38 ID:cO+HlQy0o
「こんなところで会うなんて偶然だね、と言いたいところだが、場所が場所だからね、それも必然か」
「(面倒くさい言い回しはあまり変わっていないようで安心しました)」
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AAS
11
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:28:26.34 ID:cO+HlQy0o
飛鳥さんと出会った場所から歩いて数分もしないところにオシャレなカフェがありました。静かだけどなんとなくかわいらしい雰囲気のお店です。こういうところを穴場というのかもしれません。
ウッドテーブルの隅にそっと置かれた木造の小さな黒猫を見て、思わず指でツンと触ってみます。ボクほどではないですが、なかなかカワイイ子ですね。
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AAS
12
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:28:57.64 ID:cO+HlQy0o
五年──たったの五年で、人は変わってしまうものなんでしょうか。ボクも、飛鳥さんも。或いは他の誰だって。……いや、きっと変わるものなんでしょうね。人間も、関係性も、何もかも。
色々な経験をして、変わる。
……そういう意味で言えば、ボクは今まさにとんでもない経験をしているので考え方に何かしらの大きな変化でも起きてもおかしくありませんが、まあ、それは元の時代に戻って、五年経過して、そのとき初めて実感するとしましょう。
「──さて、幸子。美穂さんとはうまくやってるかな?」
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AAS
13
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:29:41.22 ID:cO+HlQy0o
「……なるほど、どうやらあのときの話はなまじ、嘘でもなかったようだ」
勝手に納得をしてうなずく飛鳥さん。こうして意味ありげに振る舞うのは、なんとなく飛鳥さんらしいです。
とは言え勝手に納得をされてもボクとしては何が何だかとなるわけでして、出来ればきちんと説明をしてほしい。あのときの話とは、一体何なのか。
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AAS
14
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:30:08.16 ID:cO+HlQy0o
+04
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AAS
15
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:30:43.19 ID:cO+HlQy0o
さて、飛鳥さんが物知り顔をしていた事情はわかりました。とは言え、それはまだ、飛鳥さんが何故かこの状況を知っている、ということに対する回答でしかなく、なぜこのような状況になっているのかまでの回答ではありません。
「では飛鳥さん、なぜボクはこの五年後に来たのでしょうか?」
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AAS
16
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:31:15.32 ID:cO+HlQy0o
やれやれ、まったく勘の良い人です。
とは言え、肝心の部分を知らなかったのだとしても、ボクにとって大事な情報であることは間違いなかったです。
もしかしたらこのままずっと、元の時代には戻れないのでは、という心配がなくなったことは、この未来で生活を送っていくにおいて、ひとつの懸念点がなくなったということですから。
以下略
AAS
17
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:31:42.14 ID:cO+HlQy0o
大したことではない質問だ──個人の結論として、大人になったということだろうと結論付けてはみたものの、やはり本人に聞いておきたかったのだ。
ボクだって、この時代ではワタシになっているらしい。その心境を推し量ることができるかもしれないと思ったから。
五年後の『輿水幸子』は、どんなつもりで“ボク”から“ワタシ”となったのか。
──或いは、どんなつもりで美穂さんにだけ“ボク”であろうと、そんな気持ちになったのかを、知りたくて。
以下略
AAS
18
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:32:31.76 ID:cO+HlQy0o
「思春期特有のなんでも最後は思い通りに行くと信じている万能感、みたいなものさ。或いは、周りが何を言おうとも自分は自分であるという確固とした強い想いかな」
「思春期特有の万能感ですか。なるほど、そうですねぇ。確かにボクのカワイさが世界一であるということはある種の万能感とも言えるかもしれませんが、それと似たようなものですかね」
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AAS
19
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/12/31(日) 20:33:12.45 ID:cO+HlQy0o
とは言っても、五年前の飛鳥さんとボクとでは全然違うと思うんですが、そこは思い出補正というものでしょうね。五年経って飛鳥さんも、痛い奴もいいけどカワイイのも良いとなったのでしょう。
なんて、それは冗談ですが。
別に、ボクだって誰にだって物怖じをせずにいるわけではありません。信頼している仲間だから──なんて、そんなことを本人に言うつもりはないですが。
飛鳥さんは少しミルクを入れすぎて白さが強いコーヒーを飲んでから、再び口を開いて喋り始めた。
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