589: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/08/14(火) 23:11:14.54 ID:7P9UOiPr0
尤も、流石に全員が白兵戦に興じていたわけではない。
空母艦や戦艦、夕張、大淀といった軽巡でありながら重装備を可能とする艦などは後衛に下がり、若見屋交差点から合流した羽黒等海自の艦娘達と共に“本分”たる遠距離攻撃で此方も十二分な戦果を上げている。攻撃目標も徹底的に海上の敵後続戦力に集中し、前衛の増強を防ぐことで“白兵艦隊”の戦いやすさをより高めるという理想的なものだ。
自然な連携。だが故に、尚更確信せざるを得ない。
彼女達にとって、この戦術は“手慣れたこと”であると。その練度の高さは単に訓練だけではなく、幾十幾百の“実戦経験”に裏打ちされたものであると。
「アメリカと、我らが祖国も一枚噛んでそうね」
ノハメ゚听)「? 何の話ッスか?」
「……気にしないで、ただの独り言よ」
お飾り?足手纏いじゃなければ御の字?自分の認識の甘さに吐き気がする。国連なんて組織がいかに頼りにならないかは、何よりも日本政府が“艦娘三原則”の一件で散々に思い知っている。
少し考えれば解ることだったのだ。中でも特にその事をイヤというほど味わったあのブサメン首相と自衛隊首脳部が、端っからそんなものを引っ張り出してきて寄越すはずがないと。
この部隊は、正真正銘の“切り札”なのだろう。それも、本来盤に存在してはいけない三枚目のジョーカー。
「………大隈二曹。彼女達にはあまり気を許さないようになさい。手練れ揃いだけど、それだけに寝首を?かれるか解らないわ」
ノハメ;゚听)「えっ?いや、彼女達味方でしょ?」
「味方だからこそ、よ」
強力な戦力として、戦況打開の切り札として「信用」には値する。
だが、幾ら自分たちを救ってくれたとはいえ手放しで彼女達を「信頼」する気になれるほど、私は純真無垢な小娘ではない。
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