583: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/08/11(土) 23:49:05.53 ID:uxo1vhXg0
ギコさんの口元が、突然尖る。彼はそのまま手元の白兵用ブレイドをまるで杖のように地面に突き立てると、その大きな眼を限界まで細めて老人のように腰を曲げて見せた。
(,,;=3=)「い、否。ここには猫山義古等という名の人物はおらん!せ、拙者、猫山ではなく、ライスボーラーパン蔵と申す!!」
( ´_ゝ`)「は?」
(´<_` )「えぇ……」
「無い」
(*゚ー゚)「ギコ君……」
( T)・'.。゜「ブブホゥwwwwwwwwwwww」
「グブフフヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒwwwwwwwwww」
どこから出したのかと首を捻りたくなるような高音声で放たれた台詞に、双子と鈴谷としぃさんが一瞬で真顔に戻る。提督がマスクを貫通して大量のつばをまき散らしながら崩れ落ち、時雨も明らかに自称美少女が出すものとしてはふさわしくない笑い声と共に腹を抱えて地面を転げ回る。
「……ッ、……ッッ!!」
「ポ、ポヒッ、ポヒヒッ……」
「ふっ……くっ……ふふっ……」
あと雲龍も無言で顔を押さえて膝をついているし、古鷹と夕立も精一杯の優しさでこらえながらもギコさんの方に視線を向けられていない。“海軍”兵士も大半は決壊寸前だ。
正直私もヤバかった。
(,,B Д )「…………殺してくれ誰か」
「たまご」
自己嫌悪で地面に崩れ落ちるギコさんの肩に、初めて一単語しか喋れない体質に感謝しながら慰めの意を込めて手をそっと置く。
きっとこれは、彼の人生全体を通して恐らく最大級の失策だったに違いない。
何せ、我が鎮守府が誇る邪神二人に、向こう5年は使える【鳳凰の卵】よりも美味しい極上のからかいネタを与えてしまったのだから。
( ´_ゝ`)「どうした、しっかりしろライスボーラーパン蔵」
(´<_` )「いろいろ説明を頼むライスボーラーパン蔵」
( T)「そう落ち込むなよライスボーラーパン蔵」
「元気出しなよライスボーラーパン蔵wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(,,#;Д;)「お前等全員死ねゴルァアアアアアアアア!!!!」
とりあえずギコさんの当鎮守府における認識が、
「男梅に轢かれて気絶した上に公衆の面前で上官に犯されそうになった面白ヤンキー」
から
「“海軍”所属がバレそうになってテンパった挙げ句漫才コンビ流れ星のちゅ○えいに無駄に近いクオリティでライスボーラーパン蔵と名乗った面白ヤンキー」
に更新された瞬間だった。
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