エンド・オブ・オオアライのようです
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458: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/16(土) 23:42:28.86 ID:dckhVBid0
雨のようになんて表現では到底追いつかない。

その空襲をあえて比喩的に表現するなら……空そのものが降り注いでくるような、とでも言おうか。

「撃て、撃て、撃て!!」

《最早残弾を気にする段階じゃない!とにかく全弾ぶっ放せ!!》

迫る真っ黒な空に、次々と私達の火線が突き刺さる。密集しているため面白いように命中し、オレンジ色の火の玉がそこかしこで淡い光を発する。

だけど、規格外の物量の前でそれらの閃光はあまりに微かで、儚い。

『『『────………』』』

《敵機投だn───》

「退避、退避、退避ーーー!!」

《機銃掃射来るぞ、散開しろ馬鹿野郎!!》

「三浦、こっちだ!走れ、走れぇ!!」

《シーサイドステーション、区画の一部に直撃弾!徳居班が崩落に巻き込まれた!》

「いでぇ……いでぇよぉお………」

急降下爆撃が命中したLAVが吹き飛ぶ。機銃掃射を四方八方から受けた堡塁が血煙に包まれる。コンクリートが爆弾で捲れ上がり、とんだ破片が隊員の眼球をえぐる。弾薬への誘爆で火柱が上がり、炎に飲まれた機銃手が地面で藻掻きのたうち回る。崩れ落ちるシーサイドステーションの瓦礫が、尚も転がっていた96式の残骸をそれを盾にしていた一個小隊ごと押し潰す。

ノハメ;゚听)「被害報告!」

《シーサイドステーション内部、崩落箇所は20を越え岡本班、徳居班、長田班と通信が途絶した!木田班も2名が巻き込まれ重篤、1名が死亡!医療員にも死傷者が出た!》

「即席堡塁・バリケードは約半数が沈黙!60m迫撃砲、110mm無反動砲他多数の重火器も失逸!」

《此方ヒトマル2号車、履帯を損傷し行動不能!主砲残弾も2、機銃も後10秒ほどで打ち止め!》

《こちらダスター2、我々も履帯をやられ移動不能!随伴歩兵隊も機銃掃射により半数が死傷!》

「一尉、磯浜さくら坂通りからの増援部隊が敵主力艦隊の艦砲射撃により進軍困難に陥っているとのこと!現在複数拠点が陽動を行っていますが効果は見られz」

「っ」

報告をしてくれていた通信士の頭が、機銃掃射の火線に射貫かれる。風船を針で突いたみたいな存外乾いた音を残して頭蓋骨と脳細胞とその他諸々がはじけ飛び、赤い肉片が私の頬や口元に付着した。

……人間の適応力は素晴らしくもあり、おぞましくもある。最早そんな光景を目にしても、私が抱いたのは多少の不快さと“また戦力が減ってしまった”ことに対する焦燥だけだった。


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