エンド・オブ・オオアライのようです
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457: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/06/16(土) 23:09:41.37 ID:dckhVBid0
「蝶野一尉、お怪我は!?一応担架も用意しましたが……」

「足が少し痛むだけで大きな問題はない、それより中内二曹を──っ!」

頭上10mほどをライナー性の軌道で砲弾が駆け抜けていき、一瞬首を竦める。大洗駅の方面で轟音が鳴り響き、規則正しく飛来していた迫撃砲の支援砲火が束の間途切れた。

「シーサイドステーションより大洗駅、無事!?」

《120mm迫撃砲一門喪失、他に死傷者若干名も継戦は可能だ!そっちこそさっきの爆撃は大丈夫だったのか!?》

「私達自身は無事だけどヒトマル1号車を喪失、拠点火力が大幅に減退した!なお2号車も残弾は極小!!」

無線でやりとりを続けながらも、動きを止めている暇はない。中内さんのことは担架を運んできた二人に託し、私自身は大隈二曹らと共に上空に小銃を向ける。

「図図しい注文で申し訳ないけど、派遣した増援部隊にクロムウェル巡航戦車並みの超特急で来るよう伝えて!

総員陣形再編急げ!対空戦闘、よぉーーい!!」

当然の帰結だ。

ただでさえ、M42の残弾の減少やLAV、96式の損失、随伴歩兵各班の損耗などで薄くなり敵航空隊の突破を許しつつあった現状がある。その中で私達は更に装甲車両を……対空弾幕の一角も担っていた指揮車両を失った。

火力が減退し、指揮系統に束の間混乱を来した最前線の防護拠点。しかもその拠点に周囲から戦力が集まりつつある動きも、空からなら手に取るように解ることだろう。

故に、敵の“指揮艦”が大洗シーサイドステーションを完全に叩き潰そうとするのは当然の帰結だった。

《空が三分に敵機が七分!繰り返す、空が三分に敵が七分!!》

ノハ;メ゚听)「総員気張れ、とんでもねえのが来るっスよ!!!」

腹を空かせた猛獣が、低く唸っているようなエンジン音。それらはすぐにあの耳障りな甲高い風切り音に代わり、空から迫る。

今日一日で散々聞き飽きた、“ジェリコのラッパ”の大合唱。………ただしその数は、今までの比じゃない。何十、何百、千に届くと言われても信じられる。

『『『『………─────────!!!』』』』

狙撃班のヒステリックな無線通信さえ、私達の頭上に限定すれば強ち誇張表現ではない。

それら膨大な物量の敵機が、一斉に私達に向かって押し寄せる。


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