エンド・オブ・オオアライのようです
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44: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/06(土) 23:18:18.32 ID:Gd5bPsEi0
数秒の間を経て、爆発的な悲鳴が辺りを包み込んだ。

保安隊の到着によって一時沈静化していたパニックが、改めて目の前に突きつけられた“脅威”によって再び激しく燃え上がる。居住区に向かおうとまでは行かずとも、半ば興味本位、半ば楽観的に玄関や校門付近にたむろしていた多くの生徒達が再び津波のような勢いをもって第2グラウンドの方へ逃げ散っていく。

「あぁ……ああぁっ……!!」

ただし、これも“全員”に共通した動きではない。秋山さんを筆頭に、元々居住区の方面に行こうとしていた生徒達は寧ろますます激しく抑え付けようとする人間に対して抵抗を始める。

「行かせて、行かせて……行かせてよぉ!!私が行かなきゃ………お父さん、お母さぁん!!」

「優花里さんっ……!」

(# ω )「────秋山ァ!!!」

こめかみの辺りでプツリと音が鳴り、気がついたら僕は勢いよく平手を振りかぶっていた。

「ひぐっ………」

人を殴った感触がビニール袋を破裂させたような音と共に僕の掌に伝わり、秋山さんが後ろに蹈鞴を踏む。倒れかけたその身体を、両肩口を掴んで引き起こす。

PTAに見付かれば懲戒免職待ったなしだろうが、構うものか。今更自分の職歴に頓着していられるような状況じゃないのだから。

(# ω )「いい加減にしろよお前!!てめえは何だ!?ウルトラマンか?魔法少女か?それとも艦娘か!?

陸なら10式戦車数台束にして迎撃しなきゃいけない化け物に、素手で立ち向かえるようなスーパーパワーをいつの間に身につけたんだ!?」

「……内藤教諭、行かせてください、お願いです、教諭………

お父さんも、お母さんも、あそこに……あそこに……っ」

「っ、先生!」

「落ち着けブーン先生!」

もう一度、秋山さんの頬を打つ。先程まで彼女を押さえていた西住さんと松本さんの手が、今度は僕の腕や肩に添えられていた。

(#^ω^)「家族が心配なのはよく解る!特に君は人一倍両親想いなのを教師として知ってるからな!行かせられるならそうしてる!

でもお前さっきの保安隊の会話聞こえていたよな!?学園艦上の最重武装部隊が避難誘導に尽力してて、それでもなお進捗は芳しくないって!

ただでさえ混乱状態のところに、戦車から降りたら何の技能も持たない───せいぜいクラブ活動で使えるサバイバル技術程度しかない一般人が飛び込むことが………どれだけその避難誘導に対して“妨げ”になるかって考えてるか!?」

「────えっ」

a暴れなくなったものの虚ろな表情で解放を懇願していた秋山さんの目が、はっと見開かれた。

(#^ω^)「しっかりと思い出させてやるけどな、お前はなんら怪物を倒せる力を持ってないただの2年C組の秋山優花里なんだよ!僕がただの無力で無能な現国教師であることと同じで!!

その無力なお前があそこに飛び込んで、負担が増えた保安隊はどうなるだろうな!?それこそ、巡り巡ってお前の両親さえ危険に晒しかねないって事を理解しろよ!!!」


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