43: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/01/06(土) 23:05:01.77 ID:Gd5bPsEi0
「対象A、移動開始!接近してきます!!」
「前衛各班に通達!射撃開始、繰り返す、射撃開始!
住民の避難誘導と平行して対象Aを牽制しろ!!」
指揮官と思わしき保安官が手元の無線機に向かって叫び、居住区の方から響くは連続した銃声。躙り寄ってくる深海棲艦めがけて周囲から幾十本の火線が延び、銃弾が胴や頭部で次々と炸裂した。
『ォオオオォオオ………』
「………クソッ!!」
だが、その火花は相対する敵の巨躯に比してあまりにも小さく儚い。素人目に見ても、毛ほどのダメージにもなっていないのがよく解る。
「対象A、依然進行中!移動速度に変化無し!」
「前衛班より通達、付近市民の避難は区画の混乱と人員の不足により遅延!“暴徒”の鎮圧も難航中とのこと!」
「艦橋保安室に部隊の増強を要請!それと商業区との連絡回復も────うおっ!?」
『ギィアアアアアアアアアアッ!!!!』
深海棲艦が、その図太い胴で周囲を薙ぎ払った。
家屋や、電柱や───遠目故断定はできないが、“人の形”をした小さな点が勢いよく宙に舞う。
「おい、アレ……」
「退避、退避ィ!!」
(;゚ω゚)「伏せろ!!」
「きゃああっ!?」
長方形の巨大な何かが激しく回転しながら飛来し、突風を残して僕等の頭上を飛び過ぎた。
振り向けば、後方50M程の位置に酷く拉げた装甲車が転がっている。
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