エンド・オブ・オオアライのようです
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406: ◆vVnRDWXUNzh3[saga sage]
2018/04/17(火) 23:47:16.33 ID:VBYc6z7/0
当たらなければどうということはないという名(迷)言があるけれど、それは裏返せば「当たってしまえばどうしようもない」と言い換えられる。

ヨーロッパやアメリカで一式陸攻と同じ(不名誉極まりない)渾名をつけられた、深海棲艦の主力戦闘機もその点は同じだった。

『『『!!??!?』』』

《弾着、弾着!》

《よし、当たったぞ!》

《1機でも多く削れ、仲間の仇を取れ!!》

7.62x51mm NATO弾を諸に浴びて、【カブトガニ】達は編隊最後尾の機体から順に次々と火を噴き墜ちていく。奴等が完全に射程圏外へ退避したときには、更にもう10機ほどその数は減っていた。流石に2/3の機体を失ったとあっては労働意欲も大いに減退したようで、第三次攻撃は行われずそのまま敵編隊は海の方へと戻っていく。

元々脆い脆いと聞いてはいたが、実際に目の当たりにするとやはり驚かずにはいられない。ベルリンの戦闘ではドイツ連邦陸軍が歩兵の携行火器のみで500を越える敵機を撃墜したなんて眉唾物の記録も残っていたけれど、あの光景を見る限り強ち全てが嘘ではないようね。

《敵第四波、突入の気配は今のところありません!》

「とはいえ上空の敵航空戦力は未だ膨大よ!対空警戒は絶対に怠らないで!

ヒトマル1号車より各位、被害状況を改めて報告して頂戴!」

……それでも、相当な“尾鰭”が着いていることは間違いないだろう。

何せ実際には、たった20機ほどを撃墜したのとひき替えに、この損害なのだから。

《96式、走行不能!砲塔と機銃は動きますが機動戦は不可能です!》

《LAV、最終的に六両が破壊されました!残余四両も半数が損傷有り!》

《此方高層観測班、機銃掃射により4名が死亡!2名が重篤です!》

《負傷者の後送を急げ!救援なんか待つな、この状態で助けなんか来るものか!》

《此方M42 2号車、先程の機銃掃射で集中砲火を受け副兵装のM1919に異常有り。また、右履帯も“利き”が鈍い》

《蝶野一尉、大洗海浜公園の防護拠点と通信が途絶しました!恐らく、空襲で壊滅したと思われます!》

「………ホント、ベリーバッドにも程があるわね」

失われた戦力は、どれほど少なく見積もっても4割は下らない。しかもそれは私達の拠点に限った話ではなく、大洗町の防衛ライン全体が同様の状態───どころか、無線で飛び交う様々な情報から推察するに、私達の被害状況は“まだマシ”ですらあるかも知れない。

奴等の本格的な攻勢が始まってから、ほんの10分と経っていないにもかかわらず、だ。


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