369: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/22(木) 23:39:50.90 ID:gNRjXRdj0
操縦席の中を、戦闘機としては異質な丸い影が一瞬通過する。直後、彩雲隊の左手を飛んでいたグラマンが両翼から炎を吹き出した。
《Oh?my?god!!?Ribbon-06?down!!》
《由良より旗艦、敵機種は全て【オニビ】!数は20弱、なおも追撃してきます!!》
『『『────……』』』
オニビ。世界的には“Ball”と呼称される、深海棲艦の艦載機。その名が示すとおり白色の球形というカブトガニ以上に独特の形状で、主にヲ級や空母棲姫、或いはヌ級のflagshipといった旗艦級の艦隊の直掩に着いている姿が多く見られ。
速力と防弾能力において非常に高い水準にある反面、【カブトガニ】に比べて性能が空対空格闘に特化していて汎用性は非常に低い。だが、逆説的には“本来の用途”における戦闘能力は極めて高い、と言い換えることもできる。
急造部隊である上に既に大きな損害を被っている私達がまともに戦っていい相手ではないし、容易く振り切れるような甘い相手でもない。
「彩雲三番機、被弾……!」
《Ribbon-10, Ribbon-20, Ribbon-07 Lost!!》
《此方由良、水偵が被弾!飛行態勢維持していますが燃料漏れを確認!!》
《頑張って!あと少し───っ、旗艦葛城よりCP、烈風隊投入16機の内10機を損失!損害甚大!!》
端から見れば、その光景はきっと肉食の猛禽に小鳥の群れが嬲られているかの如く映るだろう。【オニビ】達による執拗な反復攻撃で此方の航空隊はいいように撃ち抜かれ、次々と赤い炎と黒い煙を吐き出しながら学園艦の上に叩きつけられていく。
628Res/562.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20