エンド・オブ・オオアライのようです
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269: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/02/10(土) 00:06:28.20 ID:tuhNfgCQ0
(……それでも、やっぱり今日は静かなものだ)

閑散とした商店街を歩きながら、その少女は胸の内で呟いた。

イロイロと理由があって彼女個人としてはあまり寄りつきたくない街なので、それほどじっくり市内を練り歩いたことはない。しかしながらニュースなどで取り上げられる市の光景を想起する限り、そろそろ夕方に差し掛かるか否かというこの時間帯はまだまだ人が道に溢れている頃の筈だ。

あらゆる意味で“世界一安全な旅行”を堪能するために、或いは艦娘の存在を一目見るために、国内外の旅行者がこの街でとぎれることはない。彼らの存在は間違いなく、横須賀市の人口密度が戦前の三倍強に脹れあがった最大の原因だろう。

だが、今商店街を歩いている人影はせいぜい10人いるかどうか。しかもその内半分は、制服姿で見回りをする警官ときた。

店自体も、殆どが下ろしたシャッターに“臨時休業”の貼り紙をひっつけた状態で開いている店は一握り。そしてその一握りも、店の中を覗けば店主や店員は備え付けのテレビや引っぱり出したラジオに釘付けで此方に気づきもしない。

(まだ逃げるほどじゃないけど、ニュースが気になって商売が手に着かない、そんな感じザマスね)

いかに盤石な防衛拠点とはいえ、この市はあくまで“海沿い”だ。それに最大戦力を保有するということは、それだけ敵にとっては優先して潰したい場所にもなる。

自衛隊や艦娘が守ってくれると思いつつも、一抹の不安が拭いきれない───そんなところだろうか。


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