エンド・オブ・オオアライのようです
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213: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/31(水) 23:27:21.07 ID:ojDau+AZ0
アマニェセル号。かつてブラジル共和国連邦が保有していた学園艦だ。ポルトガル語で“夜明け”を意味する艦名を授かり、世界で唯一の“帆船型”として知られていた。

六年前、深海棲艦の空襲によって3700人の生徒・乗員と共に海の底に沈むまでは。

£;°ゞ°)《……間違いない、確かに沈んだはずの【アマニェセル号】だ。クソッ、事前情報通りか》

(;●゚ ゚●)《確かに、形状はそうだが……しかし、あれじゃまるで》

まるで、幽霊船じゃないか。そう続けそうになった言葉を、築辺は無理やり呑み込む。

全長3200m、全幅870mなんて大きさの“帆船”など、過去の歴史を紐解いても他に存在しないのは確かだ。ジェイムズ=クックの乗船として名高い【エンデバー号】に意図的に似せてある少しずんぐりとした船体の輪郭や、船尾に翻る水平線から顔を出す太陽を模した学園旗も併せて、目の前のコレが学園艦アマニェセル号であることは疑いようがない。

だが、“世界で最も美しい学園艦”と謳われた面影は微塵も残っていない。

太陽の光をイメージしてオレンジ色に塗装されていた船体は、中ほどから上が漆黒の装甲に覆われ鈍い光沢を放っている。喫水線付近の塗装と木板は剥がれ落ち、その下からは錆び付いた鉄の船体が剥き出しになっていた。舳先の下部に備え付けられた人魚の像は腕と頭がもげ、緑色のこけと海藻に纏わり付かれた上此方も赤黒い錆に浸食されている。

そして何よりも異様なのは、甲板上に鎮座する巨大な影だ。

(,,;゚ ゚)《アレは、一体何なんですかね……》

£;°ゞ°)《わからないが碌なものじゃないのは確かだ》

本来メインマストがそびえているはずの位置────丁度船体の中央部に当たる場所で“それ”は頭を垂れている。

全長200mはあるだろうか。背面は甲板同様漆黒の甲殻に覆われる一方で、胴体の前面部分はぬらぬらと湿った青白い身体が剥き出しになっている。腰から下には足のような部位が見られないどころか、完全に船体部分と融合しているようだ。


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