168: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/22(月) 03:40:04.25 ID:0WyQqsPm0
「じゃあ私はこのまま学園に向かうから、ここでお別れね。
念を入れてもう一回言うけど、ちゃんと避難場所に向かうのよ」
「はい。このたびは本当にご迷惑を────」
「あの!」
「………なぁに?正直、ちょっと急いでるんだけど?」
深々と頭を下げる淳五郎の横で、好子は踵を返した少女の背に声を掛ける。冷たい眼で睨まれて少し怯んだが、それでも好子の矜持としてこれだけは聞かずにはいられない。
「貴女の名前を、教えてくれませんか?
言葉だけじゃなくて、いつかしっかりとした形のお礼をしたいんです」
「………お気持ちは嬉しいけれど、ごめんなさい。私、名乗れるような大層な者じゃないのよ」
少女は束の間眼を丸くした後、手元に拳を当ててクスクスと笑みを漏らした。
「ただの“追っかけ”だもの、大洗女子学園戦車道チームの、ね」
628Res/562.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20