エンド・オブ・オオアライのようです
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167: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/22(月) 03:26:42.28 ID:0WyQqsPm0
「とりあえず、このエリアは概ね殲滅した……とはいえ、問題はヌ級をどうするかよね。流石に艤装無しで軽空母と正面切って戦うのはキツいし……あ、ねぇちょっと」

「ふぁいっ!?」

「ひゃいっ!?」

大洗女子学園の方を睨みブツブツと一人呟いていた少女が、突然好子達の方を向き声を掛ける。夫婦揃ってびくりと身体を震わせ全く同時に奇声を発してしまったが、向こうはまるで気に掛ける素振りを見せない。

「貴方たち、さっきも言ったけどとっとと避難所に戻りなさい。第5指定避難所ならたまたま“寄り道”したからしばらくは安全よ。

子供が心配なら尚更、ね」

「はい……」

「本当にすみません……」

少しきつめの語尾で釘を刺され、今度は二人揃って悄気返る。

一人娘が危ない───その事を理解した瞬間、淳五郎も好子も他の事柄について冷静に考えることが出来なくなっていた。着の身着のまま店を飛び出し、避難民の流れに逆流して学園に向かい、そしてその途上さっきの化け物の群れに襲われた。

目の前の少女に諭されるまで、二人の頭からは様々なことが抜け落ちていた。自分たちだけで学園に向かったところで、それで何が出来るのか。自分たちが死んだら、それこそ娘はどうなるのか。どころか、自分たちのような素人が保安隊の避難誘導や遅滞戦を邪魔したせいで、娘の避難に影響が出たらどうするのか………

顔から火が出るどころではない。その指摘を化け物の殲滅を終えた直後の少女から受けたとき、二人の背筋は氷を直接突っ込まれたかのように冷たくなっていた。


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