エンド・オブ・オオアライのようです
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158: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/21(日) 23:20:43.82 ID:VyopJgoK0
【群れ】の速度は、“暴徒”と比較すると明らかに劣る。とはいえこれは、【群れ】の中に身体のパーツが欠損している個体が多い事が原因であり奴等が愚鈍というわけじゃない。

“劣る”というだけで、決して遅くない。五十鈴ちゃん達が少しでも気を抜けば瞬く間にその背を奴等の手が掴むことになる。

「やだ、来ないで!来ないでぇえええ!!」

「誰か助けて………きゃあっ!!」

「っ、大丈夫?!」

追い立てられ、互いに押し合い、恐慌状態になっている大人数が逃げ惑うには木々が生い茂る樹木園の足下はあまりにも悪い。生徒の一人が根にでも躓いたかすっ転び、それを見た磯部ちゃんが急停止から反転して彼女の下へ向かおうとした。

『『『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ」」」

「やっ────」

だけど伸ばされた手を磯部ちゃんが掴む前に、追いついた何体もの“それら”が転んだ女生徒に覆い被さる。

「助け、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!?」

「いっ……!? や、やめろぉ!!」

「キャプテンダメ!!」

生の肉が食いちぎられ、血が飛び散る湿った音がここまで届く。食われている生徒の助けを呼ぶ声は一瞬で断末魔に代わり、それもすぐに聞こえなった。

磯部ちゃんはそんな状況になってもなおその子に手を差し伸べようとしたけど、河西ちゃんが肩を掴んで無理やり押しとどめる。

「もうあの子は手遅れです!早く逃げないとキャプテンまで追いつかれます!」

「………っ、ごめん!」

「磯部さん、早く下がるモモぉーーー!!」

ももがーちゃんが、足下に落ちていた大きめの木片を………というよりは、朽ちて倒れたらしき細木の幹を持ち上げ放り投げる。

「ヴアッ!?』

磯部ちゃん達の直ぐ後ろまで迫っていた“奴等”の内の一体が、直撃を受けて後ろに吹っ飛んでいく。


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