エンド・オブ・オオアライのようです
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157: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/01/21(日) 23:12:04.56 ID:VyopJgoK0
それ自体は、容易く予想できた「展開」だった。

指定避難場所の方角で悲鳴が上がり、指定避難場所の方角から新手の“暴徒”は押し寄せてくる……そんな状況で“避難場所が襲撃を受けている”という事象が思い浮かばないほど、私の想像力は貧困では無い。

だから、その方向から必死の形相で逃げてくる人の群れを目にした時も、私はまだ動揺していない。寧ろ先生達や風紀委員メンバーと共に懸命に避難誘導に励む桃や柚子、五十鈴ちゃん達の姿を見つけて、他の戦車道履修者の皆もまだ無事だったことに一瞬安堵の息を漏らしたほどだ。

「────ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!』

『ヴォオオオッ、グァアアアアアッ!!!」

<ヽ;`∀゚>「………なん、だ、アレ」

…問題は、その後ろから追ってくるもう一つの集団。“それら”を目にした二田さんが振り絞るような声で呻くけれど、その反応は無理もない。

さっき別の保安官の人は、アレを“暴徒”と表現した。だけどあんなものが“暴徒”なんていう生易しいものであるはずがない。

“人間”の枠組みに、入れていい存在であるはずがない。

「「ァアアアアアアッ!!』』

五十鈴ちゃん達を追い立てる【群れ】を構成する“それら”は、確かに一見すると人の形をしていた。四肢があるし、声を発しているし、二本足で立っているし。

だけど“それら”の、

ある個体は顎の下半分がなく、
ある個体はあらぬ方向に曲がった左足を引き摺りながら前進を続け、
ある個体は右腕が神経一本で繋がりぶら下がった状態で、
ある個体は頭の右半分が潰れて、
ある個体は腹のど真ん中に鉄骨のようなものが突き刺さり、
ある個体は頭の鼻から上がなくなっている。

“それら”がどうしてそんな有様になったのか、どうして殆どが致命的に損壊しているのにまだ動けるのか、何故“暴徒”たち同様五十鈴ちゃん達を追ってきたのか、幾つもの疑問に答える術を私は持たない。

『『オ゛オ゛、ウ゛ア゛ア゛!!」」

ただ、“それら”が既に人間ではないことだけは確実だ。


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