23: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/29(金) 13:10:09.28 ID:owrWAVvd0
そういえばはじめて会ったとき、アイドルになりたいわけじゃない、なんてことを言ってましたっけ。
それならどうして。
「ねぇ、乃々ちゃん」
どうしてアイドルを続けているの?
やめようって思うことはないの?
言いかけたその言葉を飲み込む。
私は乃々ちゃんのことをほとんど知らない。
乃々ちゃんの趣味も好きな食べ物も休日どうして過ごしているのかも、いま好きな人がいるのかも。
私はなんにもこの子のことを知らない。
だって私たちは出会ってまだ一週間も経っていないんだから。
プロデューサーさんはどうしてましたっけ。
私と出会ったばかりの頃。
事務所に押し掛けてきた私に、プロデューサーさんはなにをしてくれてましたっけ。
「乃々ちゃん、明日オフですよね?」
あの人との出来事は昨日のことのようにぜんぶ思い出せる。
もちろんあの人がなにをしてくれたのかもぜんぶ。
小首をかしげている乃々ちゃんにそのうちのひとつを口にしてみた。
「まゆと、デートしませんか?」
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