22: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/29(金) 13:07:15.82 ID:owrWAVvd0
森久保乃々ちゃん。
十四歳の中学生。
その年齢からしても小さくて、触ると折れてしまいそうな身体。
整った顔立ちにくるりと丸い目をしていてとてもかわいらしい。
常におどおどしている様子はなんだか子リスを思い出しちゃって、守ってあげたくなるってこんな子のことを言うんでしょうか。プロデューサーさん、もしかしてこういう子が好みなのかな?
冗談は置いておくにして……いやほんとに冗談ですよ。乃々ちゃんに嫉妬なんてしてません。ってなんでこんな言い訳みたいなことしてるんでしょうか。
ごほん。とにかく乃々ちゃんははっきりと言って美少女だった。売れっ子アイドルですってテレビに出ていても全然不思議じゃないぐらい、とってもかわいい。
でもそれは見た目は、のお話。
「も……もうほんとにむりです。むーりぃー……」
曲が止まると、とうとう床に倒れてしまった。
乃々ちゃんはプロデューサーさんが言うアイドルに一番必要なものを持っていなかった。
すなわち体力がなかった。それはもう絶望的なほどに。
体力不足を指摘されてきた私が言うのだから、この子は相当な筋金入りかもしれない。
それに加えて乃々ちゃんはとってもシャイなのか、頑なに目を合わせようとしない。
はじめは私が嫌われているのかなと落ち込んだけれど、他のみんなにもそうだと知って少しだけ安心……はしちゃいけないんでしょうけど、でもちょっとだけホッとしたりして。
私たち相手でこうなのだから、握手会のことを考えると頭が痛くなりますね、とちひろさんがボソッと漏らしていたのは昨日のこと。
せっかくこんなにかわいいのに。乃々ちゃんはアイドルに向いているとはとても言えなかった。
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