曜「クリスマスツリーは綺麗ですか?雪は降っていますか?」
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名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:51:51.19 ID:Bd0JRqI80
夜の更けた商店街は誰もおらず無人だった。二人だけの世界は一層冷たく感じられた。
それは並び立つ店群の吹き抜けになった一角にそびえ立っていた。
おびただしい数のオーナメントで彩られピカピカと光り輝く電飾を纏っている、取り付けられてるのは町の子供手製の飾りだろうか。街の中心に設置されたクリスマスツリーは錆び付いた商店街には不釣り合いな、巨大な輝きを放っていた。
以下略
AAS
35
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:53:28.01 ID:Bd0JRqI80
「善子ちゃん、クリスマスツリーは綺麗?」
「…ええ、とっても綺麗よ」
以下略
AAS
36
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:54:45.68 ID:Bd0JRqI80
柔らかな温もりがが痛みを注ぐ。不意に川岸での事が思い起こされて、善子の瞳に大粒の涙が零れた。
曜の安らかさ、悲壮さを思わせる微笑みに、涙してしまう。それでも、善子は、自らの涙の理由を上手く理解できないでいた。
嗚咽交じりに泣き腫らし、遂にはしゃがみこんでしまう善子。右手は曜と繋いだままで使えず、左手で涙を拭う。
37
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:55:35.50 ID:Bd0JRqI80
「…善子ちゃんの手、温かい」
曜は小さく呟くと、善子と同じように脚を折りしゃがんだ。善子の空いていた左手を探し当て、自分の右の手で握る。善子の体を伝い腕、肩、?へと探るように手を這わせる。
「頬っぺた、ちょっと濡れてる」
両手を善子の?に当て、愛おしそうに撫でる。いつもは大概のスキンシップを振り払う善子も、されるがままだった。
以下略
AAS
38
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:56:58.03 ID:Bd0JRqI80
以下略
AAS
39
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:57:55.21 ID:Bd0JRqI80
「………後ろからマネキンみたいに体を動かして貰ってそれで覚えるよ。果南ちゃん、お願いできるかな?」
以下略
AAS
40
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 03:59:38.95 ID:Bd0JRqI80
突如、鞠莉が手をぴしゃりと打ち皆の注目を集める。金の瞳を爛々と輝かせ号令をかけ始める。
「時間は無いわ!みんな頑張って仕上げるわよ〜!」
以下略
AAS
41
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 04:00:27.68 ID:Bd0JRqI80
ちら、と善子は曜を見る。いつもと変わらない、笑顔を絶やさない曜の姿がそこにはあった。
何となしに自分の手を眺める。掌は寒さで少し赤くなっていた。善子はほんの少し滲む目を拭うと呼ばれている皆の元へと足早に向かっていった。
42
:
名無しNIPPER
2017/12/25(月) 04:01:03.03 ID:Bd0JRqI80
おわり
43
:
名無しNIPPER
2017/12/26(火) 05:37:17.93 ID:X0ZWIrym0
救いはないのか…
44
:
名無しNIPPER
2017/12/27(水) 22:42:43.96 ID:mep+VKl9O
ブラックジャック先生が必ず救いに来てくれるさ
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