2: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 18:35:43.18 ID:57/Pclej0
クリスマスをいつまで信じていたかなんてことはたわいもない世間話にもならないくらいのどうでもいいような話だが、それでも僕がいつまでイブなどという想像上の行事を信じていたかと言うとこれは確信を持って言えるが最初から信じてなどいなかった。
そんなことを頭の片隅でぼんやり考えながら、僕はたいした感慨もなく大学生になり、貧乏生活と出会った。
男「うっうー♪萌やし萌やし♪」
今萌やしを求めて買い物している僕は大学に通うごく一般的な男の娘。強いて違うところを挙げるとすれば少し貧乏ってところかナ〜
3: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 18:44:02.19 ID:57/Pclej0
フライパン「ふん、ふふん♪」
フライパン「んにゅ?あっ♪」
フライパン「お兄ちゃん!おかえりなさいですよ♪」ジュージュー
4: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 18:48:51.63 ID:57/Pclej0
フライパン「えっ…」
フライパン「そっ…そうなんだ…」
フライパン「ふ…ふふん!かわいい子じゃん!」
5: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 18:54:29.94 ID:57/Pclej0
フライパン「あーあ…何やってるんだろ僕…」
フライパン「ただお兄ちゃんに使って欲しかっただけなのに…」
フライパン「他の子が来たからって僕のこと使わなくなるなんてそんなわけ無いのに…」
6: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 18:59:09.42 ID:57/Pclej0
男「聞こえたよ」
フライパン「え?」
男「僕には聞こえたよ…君の声…」
7: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 19:09:06.95 ID:57/Pclej0
鶏肉をオーブン焼きにするとき、もしもオーブンが無ければ、鍋で茹でた後にそこの深いフライパンで焼くとオーブン焼きのようになる。
友人にその事を聞いた僕はフライパンを求めてバザーに出向いた。
彼女に出会ったのはそんな日の事だった。
彼女を初めて見たとき、僕に電流が走った。
8: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 19:21:08.64 ID:57/Pclej0
彼女を購入した時、売っていたお兄さんがこちらをずっと見ていたように感じたが、今日はそんな気分じゃなかったから帰ることにした。
男「ただいま」
鶏肉「おかえりなさい!お兄ちゃん♪」
9: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 19:31:47.56 ID:57/Pclej0
ポリ袋に入れるとしっかりと揉みほぐす。ここで砂糖が染み込むように、肉が潰れないようにゆっくりと揉んでいく。
サトウ「そんな事言って…」
鶏肉「やめっ…そんなとこっ…揉まないで…」
10: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 19:47:10.93 ID:57/Pclej0
鶏肉「ふ…ふぇ…ごめんなさい…ごめんなさい…」
鶏肉「ごめんなさい…お兄ちゃん…ごめんなさい…」
鍋「どうしたの?」
11: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 20:01:52.24 ID:57/Pclej0
茹で上がれば普段なら完成だが、今日はクリスマスらしくオーブン焼き風にしたい。そこで僕は秘密兵器を取り出した。
そう、バザーで見つけた素敵なフライパンだ。
すでにフライパンの汚れは落とし、よく拭いた後油を染み込ませている。
12: ◆AP6PG/QW.rrP[saga]
2017/12/24(日) 20:10:27.24 ID:57/Pclej0
フライパン「でもね…君を見ていて思ったんだ…」
鶏肉「えっ?」
フライパン「僕と同じで拾われた癖に頑張る君を…いつの間にか僕と重ねているんだ…」
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