【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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◆17z5a1JMEs
[saga]
2017/12/24(日) 03:40:51.64 ID:tCiOWLnR0
14 〜クリスマス当日〜
百合子「これを見てください」
私は、例の古い筐体を指さす。
ランキング表示が杏奈ちゃんの名前で埋め尽くされているものだ。
百合子「このみさん、確かこのゲームに関してはプロ級の腕前って言ってましたよね?」
このみ「まあね。このゲームのランキングは1年ごとにまっさらな状態に戻されるんだけど、昔は競争が激しいなか常に1位をキープしてきた女よ私は」
このみさんは胸を張って答える。
百合子「このゲームの売りは『全国のプレイヤーと腕前を競う』ことでした。そこでこのみさんにお願いがあります。この杏奈ちゃんのランキングを塗り替えてくれまえせんか?名前の入力欄にメッセージを書きたいんです。」
私はこのみさんの目をまっすぐ捉えてお願いをする
このみ「なるほどランキングを使ったメッセージか。なかなか面白い考えね、百合子ちゃん。でも杏奈ちゃんはその秘密基地にいると思う?」
百合子「それは、わかりません。もしかしたら無意味に終わるかもしれません。けど私、杏奈ちゃんに今日会いたいんです。あってちゃんと話をしないといけないんです。その可能性があるなら諦めたくないんです。でもこれは決して強制ではありません。勝手な願いだってわかっています。ご迷惑でしたら断っていただいて構いません」
このみさんは私の話を黙って聞いていてくれる
百合子「ただ、もし断るのならせめてこのゲームのコツだけでも教えてください。私が、なんとかしてみせますから!」
また私は頭を下げる。
最近謝ってばかりだ。
けど私は今できることを精一杯やるしかないんだ。たとえ無様であっても
このみ「百合子ちゃん、いい顔してるわ。きっと杏奈ちゃんと静香ちゃんのおかげね。」
私の頭に杏奈ちゃんと静香ちゃんの顔が浮かぶ。「がんばれ」と励ましてもらえたような気がした。
百合子「はい。2人のおかげです。だから諦めるわけにはいきません」
このみ「じゃあ、私も助太刀したら尚更諦められなくなるわね。百合子ちゃん、これ両替してきて」
そう言って、このみさんは私に1万円札を差し出す。
私は驚きで思わずこのみさんの顔を覗き込むように見てしまう。
このみ「私もブランクがあるからね。念には念を入れて1万円よ!誤解しないでね、決して自信がないわけじゃないんだからね!」
百合子「このみさん、ありがとうございます!」
このみ「百合子ちゃん、私のセクシープレーをよ〜く見ておくこと。いいわね?」
百合子「はい!」
私は両替機へ駆け出す。
戦いはまだ始まってはいない。でも胸に広がる暖かさが、私には希望のように感じられた。
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