【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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76: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:39:00.30 ID:tCiOWLnR0

12 〜クリスマス当日〜

未来「あ〜材料を揃えてたらすっかり遅くなっちゃたよ〜」

私は貴音さんの言葉を思い出す。

貴音『図面は私が制作いたします。ですから未来は材料を揃えてください』

ついに手紙に返答があった。
静香ちゃんの悩みの原因がわかるかもしれない。そう思い期待を込めて封を開けるとそこに書いてあったのは……
ギャグだった。

未来『貴音さん、これギャグが書いてあるんですけど……』

貴音『落ち込んではいけません未来。大事なのは静香に元気を取り戻すこと。そうでしょう?』

未来『そうですけど……』

貴音『ある喜劇王はこう言いました。“無駄な一日、それは笑いのない日だ”と。それに律子ならきっと深い考えがあるはずです。用意しましょう、このギャグを成立させるための仕掛けを』

「貴音さん、もしかしてやけになってないませんか?」と思いつつも、私はそこに書いてあるギャグが気に入っていた。それは前向きになれるものだった。

私が今手に持っている乙女ストームでお揃いにしたピンクのマザーズバッグ。その表面にはGoing My Wayのロゴが書いてあり、そして中には笑いの仕掛けが詰まっている。
まるでゴーサインが出ているみたいで、希望が持てる。
気分が良くなった私はバッグを持った手を振り子のように大きく動かしながら道を歩く。
だが大きく振り過ぎたのだろうか。気付いた時には私の手からバッグがなくなっていた。

それが引ったくりに盗られたと気付いたのは、私の前を黒い服を着た男が、全然その服に不釣り合いなピンク色のバッグを持って全力で走りだし、角を曲がり切ってからだった。

未来「ああーーーー!!泥棒――!!」

私は数秒遅れのスタートを切る。
待って!その中にはあなたにとって良いものは入っていないけど、私の友達にとって必要なものが入っているんです!
そう伝えたいが急な運動に肺も心臓も対応に追われ、声に力を回す余裕がない。
急いで最初の角を曲がり、引ったくりを探す。
いた!
暗い夜道でもピンクのバッグはよく目立つ。それが幸いした
私は小さくなっていく男の背中を懸命に追いかけた。





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