【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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77: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:39:26.93 ID:tCiOWLnR0

13 〜クリスマス当日〜

クレーンには長方形の箱が引っ掛かっている。
その中にはウサギ型の目覚まし時計が入っている。
ホールまでもうすぐそこというところまで来ている。あとは上手く傾いてくれれば……ほら!ガコンという板が抜けるような音をたてて、景品が取り出し口まで落ちてくる。

杏奈「やった……ついにゲット。写真を撮って百合子さんに……あ」

そうだ。今は携帯の電源を切っているのだった。
百合子さんに酷いことをしてしまった。本当はもっと前向きな気持ちになるはずだったのに、杏奈はやり方を間違えた。その裏にどんな気持ちがあろうと関係ない。私は百合子さんを傷つけてしまった。一番の親友を。

杏奈「明日また百合子さんに謝ろう……謝ってもう一度仲直りをしなくちゃ」

『出来ることなら今すぐにでも百合子さんに連絡を取るべきだよ。勇気を出して』
私の中の目指すべき理想的なアイドルの部分がそう声を掛ける。
本当に勇気が必要なのは百合子さんではなくて杏奈なんだ。なのに私は何をやっているんだろう。

ゲットした目覚まし時計を箱から取り出す。
この時計には録音機能があり、録音した音で朝目覚めることができる。
私はアラームの時間をセットし、さらに私の好きな言葉を録音して杏奈のピンク色のマザーズバッグにしまい込む。
この時間が来て、あの言葉を聞いたら、携帯の電源を入れて百合子さんに連絡をしよう。
これがなかなか勇気が出ない私の策だった。




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