【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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◆17z5a1JMEs
[saga]
2017/12/24(日) 03:37:28.46 ID:tCiOWLnR0
静香「え、どういうことですか?」
私の家にもピアノがあって、実はこの店のお世話になっている。でもこの店の名前に意味があろうとは考えもしなかった
『ブラボー!!』『これはすごいマジックだ!!』
拍手と歓声の波が私の耳朶を刺激する。どこか近くでマジックショーでもやっているのだろうか
奈緒「シカゴには何人のピアノ調律師がいるでしょうっていうフェルミ推定の有名な問題があんねん。」
静香「フェルミ推定?」
聞いたことあるような、ないような。でも奈緒さんからそんな単語が飛び出すのが意外だった。
奈緒「だいたい10世帯に1台ピアノを保有しているとか、一日8時間の勤務時間のうち、だいたい3台ぐらい調律するとか、ピアノを1年間に調律する回数は1回程度だろうとか、身近な知識で正解に近い数字を推定する方法やな。まあ全部最近瑞希から教えてもらったんやけどな」
静香「ああ、なるほど。この店名はその問題にかけているんですね」
奈緒「そういうこと、ほな入るで!」
奈緒さんが勢いよく扉を開く
店員「いらっしゃいませ。ああ、最上さん。いつもお世話になっております。今年はもう3回ですかな?」
いきなり訳の分からないことを店員さんから言われる。
3回?なんのことだろう。ピアノの調律だろうか?でもそれは1年に一回程度で済むはずだし、私も最近ピアノを弾けてはいないから調律の頻度が増えることもないだろう。
とりあえずどうも、と頭をさげる
奈緒「店員さん!楽器、いろいろ触ってもええか?」
奈緒さんは目を輝かせながら陳列された打楽器群を指さす
私も見まわしてみる。グランドピアノに電子ピアノ、スピーカー、ギターにベース楽譜、音楽雑誌まで扱っている。
店員「ええ、もちろんです。うちはショーウィンドウに防音ガラスを採用していますからね。最上さんも良かったらどうぞ。ピアノもございますよ」
ああ、そういえば店内に入ってからマジックショーの歓声や拍手が聞こえなくなった。
奈緒「確かに強そうなガラスやな〜」
店員「ええ、まあ石でもぶつけられない限りは割れませんよ。では、私は奥の部屋に控えておりますので、決まりましたらお呼びください。」
そう言って、店員は奥へと下がっていく。それを見計らってか
奈緒「ほな、物色開始や!」
奈緒さんは高らかに冷やかし宣言をする。聞かれていないか心配だ。
奈緒さんの物色タイムが始まった。
奈緒「おお〜静香、見てや私のこのスティックさばき!アイドルにしておくには勿体ないやろ!」
奈緒「静香!この雑誌、私らの歌が楽譜になっとるで!これは買いやな!静香が!」
私はそんな奈緒さんをスルーしてグランドピアノの前の椅子に腰かける。
ここまでせっかく来たんだ。私も何か弾こうかな
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