【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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72: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:36:55.24 ID:tCiOWLnR0

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収録を終え、局から出ると泣いている奈緒さんを見つけた。

奈緒「うわ〜ん!酷過ぎる、無情かこの世は!」

「なんてこった〜!」と大声で喚き散らす奈緒さんに、私は気付かないふりをしてタクシーを捕まえる

奈緒「あ、静香!なんか元気ないけど、どないしたん?」

またか、と私は思う。
私が捕まえたタクシーに、図々しくも奈緒さんは乗り込み、「おっちゃん!シカゴって楽器屋知ってます?そこまでお願いしますね〜」
勝手に行先まで決めてしまう。

静香「あの、奈緒さん?どうして泣いているんですか?なんで楽器屋に行くんですか?私、もう帰ろうかと思っていたんですけど?」

ツッコミどころが多すぎて、つい矢継ぎ早になってしまうが、それは奈緒さんが悪い

奈緒「聞いてくれや静香!律子さんったら酷いんや!さっき、電話でな、私のラジオが律子さんのパクリだとか、真面目に仕事しろとかなんとか兎に角でかい声でまくしたててきたんやで!私の言い分も聞いてくれって感じですわ!」

だからそれはこっちのセリフだ。
でも、律子さんに怒られてそれで泣いていたのか。あれは仰天同地だ。無理もない


静香「……はあ、何かやったんですか奈緒さん?それに言い分って?」


奈緒「ああ、私のラジオコーナーをな、野球解説から人生相談室に変えたんですよ。そしたら律子さんが『お悩み相談室』のパクリだって言い張るんや。ぜんっぜん違うってのに」

それは……

静香「それは、奈緒さんが悪いと思います」

だが私の話のことばなど聞こえていないのか奈緒さんは続ける

奈緒「それでな、私のお悩み相談室なんやけど手紙を引き当てる時に、口でドラムロールを言うんやけど、なんか寂しくてな、楽器店でなんか見繕うかって思ったんや。どや、わたし、天才やろ?」

静香「……ええ、天災です。台風とかの悪い方の」

そうこうしているうちに、楽器屋「シカゴ」に到着する。
奈緒「おっちゃん、ありがとな!」
タクシーから降り立つときにはすっかり奈緒さんは泣き止んでいた

切妻屋根にガラス張りのショーウィンドウ、入り口には「ピアノの調律やってます」の張り紙がある。

奈緒「ああ、だからシカゴなんやな?」




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