【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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65: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:33:16.70 ID:tCiOWLnR0

静香「たぶん。……たぶん杏奈は百合子に自信を持ってほしかったんだと思う」

百合子「自信?」

静香「うん。杏奈は意図的にお客さんの声援を作り出した。それが百合子を変えると思ったのよ。」

百合子「声援が?でもどうして?」

それは、と静香ちゃんが間を置いて答える。私がしっかりその答えを受け止めるように

静香「だって杏奈にとって百合子は『声援や期待に応えようと自分を鼓舞する主人公』なんだから」

百合子「あ……」

私の小説だ。
照れ臭そうに主人公は私に似ていると口にする杏奈ちゃんの顔が浮かぶ。

百合子「そっか。私、スポーツバラエティが嫌で、いつも下を向いてばっかりで……だから杏奈ちゃんが動いたんだ。嫌われるのも覚悟のうえで。だって主人公が下を向いたままじゃ主人公失格だから」

胸の内から涙がこみ上げる。
ごめんね。ごめんね杏奈ちゃん。
私、頭が悪くて。もし隣にいるのが静香ちゃんだったら、ずっと仲良しのままだったよね。
私は謎が解け、杏奈ちゃんは私が前を向くことを望んだというのに、未だに下を向いている。
そんな自分がますます嫌になる。

静香「……百合子、大丈夫よ」

百合子「だい、丈夫?」

あまりに短く端的な言葉に理解の追い付かなかった私の問いかけに静香ちゃんは困ったような顔をする。



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