【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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106: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:57:06.55 ID:tCiOWLnR0

25 〜クリスマス当日〜

アンコールの声がどんどん大きくなってくる。
私が近づいているのか、観客の興奮が大きくなっているのか。いや、その両方だ。
観客の姿が見えてきて、私は少し物怖じしてしまう。予想をはるかに超える人が集まって来ていたからだ。みんなは翼たちを目当てにここに集まってきていて、「さっきのステージはすごかった」と口々に語りあっている。
不安は確かに私の中にある。
でも私はそれでも歌わなければならない。力を込めて一歩踏み出そうとしたその時

「静香ちゃん!」

私を呼ぶ声がした。
嬉しそうに、弾けるような、私の心をいつも温めてくれるその声の主はもちろん――

静香「未来!」

未来が私に駆け寄ってくる。未来もここに来てたんだ。

静香「未来、お願いがあるの。私といっしょに――」

未来「静香ちゃん、一緒に歌おう!」

未来の大きな声が周りに響く
その声に気付いたのか、この舞台の中心から声が私たちに向かって飛んでくる。

翼「あ〜!未来ずる〜い!!私が静香ちゃんを誘ったのに〜!」

静香「翼!」

瑞希「まあまあ、伊吹さん、いいじゃないですか。それより最上さんありがとうございました。私は、最上さんのピアノにも確かにロックンロールを感じましたよ。」

静香「え、ロックンロール?」

何のことだろう。

ジュリア「気にするな。それより、未来、シズ、はやくこっちに来い。観客は待ちわびてるぞ」

未来「そうだね、静香ちゃん行こっか」

静香「……うん。行こう、未来」

未来に手を引かれ、私は街灯の下へ躍り出る。頼りないスポットライトだが、私たちのことを優しく照らしてくれている気がした。



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