【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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105: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:56:26.07 ID:tCiOWLnR0

静香父「そんな時はお父さんが、また静香を輝くステージにあげてやる!だから静香、安心して行って来い!」

顔が熱い。
熱でもあるのかと思い、自分の頬に触れてみる。
湿っていた。そうか、私は泣いているんだ。

静香「……でも、お父さん、ピアノは弾けるの?昔は下手くそだったじゃない」

静香父「大丈夫だ。ずっと練習してきた。静香とまた勝負がしたくてな」

静香「あ……!そっか、そういうことか」

店員さんが言っていた、「今年に入って3回」とは紛れもなくピアノの調律のことだったんだ。父は必死に私に隠れて練習してきたんだ。

静香「でも、いいの?急に私が入ってきて、みんな戸惑わないかな?」

静香父「大丈夫だ、みんな驚きにはもう慣れているし、あそこには静香の友達がいる。それに何より、ここにアイドル最上静香のファンが1人お前のステージを待ち望んでいる」

追い風に背中を押されたような気がした。
私は、泣き笑いのくしゃくしゃの表情でお父さんに尋ねる。

静香「私のファンって、何時からそうなったの?」

静香父「ついさっきだ」

ああ、懐かしい。楽しかったあの頃の会話だ。胸に温かさがこみ上げてくる。

静香「それって都合よすぎじゃない?」

静香父「そうか?」

静香「ついさっき私のファンになったばかりの人が、どうしてそんなに私のステージを見たいの?」

静香父「そうだな……いろいろ理由はあるが、たぶん――」

お父さんはゆっくりとそして優しい笑顔で続ける。

静香父「親バカだからかな」

こればっかりは仕方ないよなと苦笑しながら父は私の頭を撫で回した。
もう。そこまで一緒にしなくてもいいのに。
遠くからアンコールを求める観客の声が聞こえる。

静香「お父さん、私、行くね」

静香父「ああ、演奏は任せろ!」

静香「奈緒さん、選曲は任せますね!」

奈緒「……ああ、任せとき!」

奈緒さんは泣きはらした赤い目で私をしっかり見据え、力強く答えた。
気付けば私はバトンを受け取っていた



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