【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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102: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:54:45.24 ID:tCiOWLnR0

23 〜クリスマス当日〜

『うちのアイドルはそんなことで挫けるほど弱くありませんから』

プロデューサーが言った言葉が私の頭に浮かぶ。
必ず諦めるものだと思っていた。
でも今歌っている彼女たちは顔を上げた。
勇気を出したのだ。
そしてそんな彼女たちを祝福するかのように奇跡が起きた。
この場で一番報われるべき人間に奇跡が起きたのだ。
「いつだって、一番報われるべき人間には奇跡は起こらない。」確かに私の言ったことは世の常だ。だが、もしかしたら、それはただの他力本願な論調だったのかもしれない。もし私が誰かが報わることを願い本気で行動したなら、何かが変わるのかもしれない。
そう願わずにはいられなかった。なぜなら一番報われるべき人間はまだ他にいるのだから。

未来「あの、もしかして、このピアノって――」

静香父「突然すまない。君に一つ頼みがある。いいかな?」

未来「頼み?」

静香父「この携帯で、歌う彼女たちをビデオ撮影していてくれないか?頼む。」

女の子に携帯を差し出し。私は頭を下げる。

未来「いいですよ。任せてください!」

静香父「いいのか?普通こういった撮影は禁止されているはずではないのか?」

未来「大丈夫です。気にしないでください。だって私――」

女の子は胸を張って答える

未来「アイドルですから。静香ちゃんと一緒の」

そうか、静香の。
人の価値はその友を見ればわかるというが、静香は本当に良い友をもったな。

静香父「ありがとう――」

女の子に礼をして、私は駆け出した。
もっと歌を聞いていたいという気持ちはあった。彼女たちの歌はそれほど素晴らしいものだ。だが私が見たいのはもっと別のものだ。だから行かなければならない。
あのピアノを奏でる、私にとって世界で一番報われるべき娘のところへ





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