【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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100: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:53:42.52 ID:tCiOWLnR0

百合子のその言葉にはっとさせられる。
それは父が昔私に言った言葉だったからだ。
私は思わず問いかける。

静香「それってどういう意味なの?」

百合子『えっとね、例えばいきなり一人で100キロ走れって言われたら、たぶん無理だよね。でも数人でバトンを繋いで100キロ走る事ならできると思うんだ。今回私が杏奈ちゃんと仲直りできたように』

静香「うん」

百合子『だけど、生きていると多くの場合自分がアンカーなのか、中継役なのか、自分の後ろの人はちゃんと走ってきているか、なんてことはわからないんだよ。時にはバトンが自分に渡ったってことすらわからない時だってあると思うんだ。今回静香ちゃんやこのみさんが私に声をかけてくれたのはきっと特別なんだよ。』

静香「なるほど、だから目隠しなのね」

百合子『うん。目隠ししているから、暗くて不安で、それでさらにバトンが自分に繋がれるのかどうかもわからなくなって、人は走るのをやめてしまうのかもしれない。でもそこで走るのを止めちゃダメなんだよ。』

百合子は続ける。

百合子『自分はアンカーじゃないかもしれないし、手にバトンがあるかもわからないかもしれないけど、見えないだけでもしかしたら自分にバトンを繋げようと頑張ってくれている人がいるかもしれないんだから。その人たちのためにも人は決して諦めちゃいけないんだよ』

静香「自分にバトンを繋げようと頑張ってくれている人」

私は百合子の言った言葉を口に出してみる。
なぜか未来と翼の顔が思い浮かんだ。

百合子『そのことに気付かせてくれたのは、静香ちゃんとこのみさんのおかげなの。だから本当にありがとう!』

静香「ううん。私も百合子のおかげで謎がとけたわ。こちらこそありがとう」

私は通話を切る。そうだ、私は決して諦めてはいけない。今はただバトンが到着していないだけだ。もしかしたら自分は仲介役で、バトンを届けている途中なのかもしれない。それでもいつかゴールに届くと信じて進んでいくだけだ。



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