2: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2017/12/24(日) 02:10:37.70 ID:lFEhVh8y0
○
「疲れてる」
私を見て、彼は言う。
「そうでもないよ」
私が返す。
「次の現場までちょっとあるから事務所帰ってきたんでしょ?」
「うん」
「ちょっと寝るだけでも、結構違うもんだよ」
「って言っても、あと二十分もしたら出ないとだし」
「二十分を一時間に伸ばす裏ワザ、聞く?」
「なんとなく察しはつくけどね」
彼は片手をポケットに突っ込んで何かを取り出す。
それを手のひらで一跳ねさせてから、器用に人差し指にかけてくるくると回した。
車のキーだった。
「寝台特急プロデューサー号、なんてどう?」
得意顔でにやにやしているのが癪だけど、私はその提案に乗ることにした。
13Res/6.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20