125: ◆GoPzFNH1CI[saga]
2018/11/26(月) 03:14:34.74 ID:rI4LjhNl0
気付いた時には体が動いていた。
艤装が損傷して遅れ始めていた駆逐艦。
その背中に、敵が砲門を向けるのが見えたのだ。
私は思い切り体を捻って方向転換し、その子を突き飛ばして――
「がっ――ガボッ」
腰部艤装に直撃した砲弾は、簡単に私の体を吹き飛ばし、無様にも顔面から海に突っ込ませた。
すぐ体勢を整えようとする、しかし出力が上がらない。機関部が損傷したのだから当然だけど。
そこへ、狙い澄ましたかのように敵の爆撃隊が急降下してきた。
いや実際に狙っていたのだろう、今度は脚部の艤装を的確に破壊した。敵ながら天晴れな腕ね。
「――瑞鶴っ!?」
かろうじて顔を上げると、敵を吹き飛ばした加賀さんが向かってくる姿が見えた。
応えたかったけど無理だった。
完全に浮力を失った私の身体は、ごぼごぼと耳障りな音を立てて海に引きずり込まれてゆく。
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