95:名無しNIPPER[saga]
2018/01/06(土) 20:40:05.95 ID:eJvlprTto
千景「……ええ、知っているわ」
風「なら!」
千景「けれど、答えはもうすでにあなたに与えていたはずよ」
風「え……? いつ!?」
千景「言ったはずよね? あなたの信じる道を進みなさいと。そして、間違っていたら勇者部の皆が正してくれると。……答えにはなっていないかしら?」
風「……」
千景(その沈黙は重い。けれど、彼女なりに落としどころを見つけたのか、少しだけまともな顔になり)
風「……ありがと。あんたが居てくれて本当に良かった」スクッ
千景「行くの?」
風「……ええ。樹と夏凜にも伝えないといけないから。これはアタシの、勇者部を始めてしまった部長の務めで、アタシが今やらなければならないことだから」
千景「そうね。隣の部屋の三好さんは出かけているようだから、まずは樹さんに伝えてあげると良いわ」
風「そのつもり。……ほんと千景には迷惑をかけるわね」
千景「……」
千景「一度しか言わないからよく聞きなさい」
千景「知り合いの居ないこの世界で、あなたと樹さんはこんな私に、親身にしてくれた。……救われていたのよ。ありがたいと思っていたのよ。……だから、私はそれを返しただけ。ただそれだけ」
風「……」
千景「さぁ、行きなさい。あなたも為すことがあるのでしょう?」
風「……ええ! ……よく分からないけどさ、千景も頑張りなさいよ? アタシが言える言葉かは分からないけど一応」
千景「まったくね」クスッ
風「……もう、そう言われると思ったわ」フフッ
千景(犬吠埼姉は玄関を通り過ぎる間際、一度だけ振り返り、その言葉を残して出て行った)
風「それと、ありがと。──またね、千景」
千景「ええ、またどこかで」
千景「──風先輩」
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