94:名無しNIPPER[saga]
2018/01/06(土) 20:38:17.47 ID:eJvlprTto
千景「三ノ輪さんも先代勇者の一人よ。お察しの通り彼女は記憶の全てを供物として奪われた。結城さんは勇者適性値最高位。三好夏凜は言うに及ばず、両親が大赦関係者で勇者適性もあり、讃州中学に席を置くあなたと樹さん、犬吠埼姉妹が選ばれないなんてこともありえない。──つまり、あなたに非は一切ないのよ」
風「……」
風「……アタシ、……本当に何も知らなかった……」
千景「そうであるように大赦は仕組んだのだろうし、何も知らないことは大赦にとってはあまりに都合が良かったのでしょうね」
風「……ねぇ、千景。……あんたも仕組まれていたの?」
千景「私だけは欄外……と言いたいところだけれど、大赦ではなく初代勇者様に仕組まれていたようね」
風「初代、勇者が……」
千景「……」
千景「……このままあなたを慰めてあげたいところだけれど、生憎私は予定が押していてね、あなたが私と会いたかった本題に移ってもらっても良いかしら? 今なら可能な限り答えてあげるわよ?」
風「……」
千景(風先輩は幾度か逡巡し、けれど意を決したのか私を真正面から見つめて口を開く。涙はいつの間にか枯れていた)
風「教えて……教えて欲しいの! 皆は、勇者部の皆は! 本当にこのまま治らないの!? 未来から来た千景なら知っているのよね? ねぇ!」
千景(切実な、風先輩の想いが私の中に確かに伝わっていた)
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