高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」
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81:名無しNIPPER[saga]
2018/01/05(金) 22:07:53.49 ID:BSpRr3gRo

千景「──それであの時、犬吠埼姉にもう少しかけてあげられる言葉があったかもしれない、と思ってしまったのよ」

友奈「……そっか。落ち込んでいた風先輩が笑顔を作っちゃったから、ぐんちゃんは何も言葉をかけられなかったんだね」

千景(大分ぼかしてはあったけれど、朝の一幕を結城さんへと伝えることが出来ていた)

千景「私自身、何故その程度のことをここまで気に掛けてしまうのか不思議ではあるのよ。でも……どうにも、犬吠埼姉のあの見せかけの笑顔が、頭から離れないのよ……」

友奈「……風先輩の笑顔はいつもひまわりみたいだからね、私もそんな姿を見ちゃえば絶対気にしてしまうと思うよ。……ねぇ、ぐんちゃん。もしかしてだけど」

千景(珍しく、探るように結城さんが上目遣いを私に投げかけてくる。次に出てきた言葉はある意味想定していたもので──)

友奈「昨日の、ぐんちゃんたちが前の勇者の方から聞いたお話が、今の話の原因だよね?」

千景「……結城さんは知っていたのね。情報元は東郷さん?」

友奈「……うん。昨日、東郷さんが教えてくれたんだ。先代勇者のこと……満開の代償のこと、を」

千景(……なるほど合点がいったわ。東郷さんの朝の意味深な無言はそう言うことだったのね)

千景「東郷さんの性格を考えれば当然の話ね。むしろ結城さんに相談出来るだけまだ余裕があったとも言えるわ。……それで、結城さんはその、平気なの? 大分ショッキングな話だったと思うのだけれど」

千景(結城さんと視線が真っすぐに交差する。真摯で迷いのない美しい瞳だった)

友奈「正直、驚きはしたよ。だけど、私の分まで東郷さんが悲しんでくれたから、私は案外大丈夫だったんだ。それに、銀ちゃんが何とかするって言ってくれたらしいし、私も何か出来ないか一生懸命調べてみるつもり……で結局何もできていないんだけどね」アハハ…

千景「……結城さんも強いわね」

千景(三ノ輪さんにも同じ感想を抱いたが、勇者部のメンバーは本当に心が強い。それが真の勇者たる資質なのかもしれない)

友奈「私は何も強くないよ。皆が居るから、私の傍には勇者部の皆が居てくれるから、私は前を向くことができる。……ただそれだけなんだ」

千景「……それが強いと言うことなのよ」

千景(あえて聞こえないように、私は微かに呟いていた)






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