高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」
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68:名無しNIPPER[saga]
2017/12/31(日) 19:00:27.22 ID:Z+ozzRtCo

園子「私も予想はしていたんよ。この世界とは別の世界があって、そこから千景ちゃんが来たんじゃないかって」

千景「それは天才の発想? それとも、根拠あってのもの?」

千景(ある程度こちらも予想していた範囲の発言ではあったので、私も的確に言葉を紡いでいく)

園子「もちろん後者だよー。……多分、千景ちゃんは"これ"を知っているよね?」

千景(だけど、次の一言だけは流石に平然としていられず──)

園子「『鷲尾須美は勇者である』『結城友奈は勇者である』」

千景「っ!?」

園子「──という二つの作品のことを」

千景(……)

千景(……そう)

千景(いきなりで多少驚いてしまったけれど、私の推測は間違っていなかったことに他ならない。こちらを見透かすような左目を私は正面から受け止め直す)

千景(──明確なきっかけは、素性の知れぬ私が大赦から厚遇を受け始めた時。その裏に、権力を有している乃木園子の顔が浮かび上がるのは自然なことで、そこから芋づる式で"もしや"の思考を連ねていった)

千景(そして、三ノ輪さんの存在が決定打となる。先代勇者である三ノ輪銀が生きているのなら、それは明確に歴史が変わっていると言うこと。"もしや"の想像と合わせて、乃木園子が未来を知っているという推測に辿り着いた。だから、これはある意味必然的な思考と言える)

千景「あなたが持っていたのね?」

園子「それに関しては否定かな。だけど、私が"神書"を読んだことに関しては、事実だよ」

千景「シンショ?」

園子「神の書で神書。未来に起こることが神様の視点で書かれた本だからね」

千景「……あなたたちにしてみたら、確かにそうなのかもしれないわね」

千景(こちらとして見ればライトノベルの一種が神の書なんて笑える冗句ではあるのだけれど)

園子「ねぇ、千景ちゃん」

園子「私は、私の知っていることであれば全てをあなたに教えてあげるつもりではあるんだよ。……だからね、代わりに教えて欲しいの。あなたの居た世界は、バーテックスに侵略されていない正常な世界なんだよね?」

千景(質問の意図は読み切れない。けれど、その言葉には今までなかった彼女の生の感情
が存在しているように感じて、私は素直に答えていた)

千景「……正常かどうかは分からないけれど、少なくとも人々は地球のいたるところで生活していて化け物の脅威に脅かされていない、そんな西暦であることは間違いないわ」

園子「……そっか。その言葉を聞くことが出来て、うん……私は救われた心地だよ」

千景(乃木園子がこの時どんな思考に至ったのかも理解は出来ない。けれども、その安堵の声から本心であることは間違いないようだった)






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