高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」
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59:名無しNIPPER[saga]
2017/12/26(火) 22:07:49.01 ID:FQATJGRHo

*公園

銀「ほっ! よっ!」

銀(気持ちいいくらいに技が決まっていく。……もしかしたら記憶を失う前のアタシってヨーヨーの達人だったりして? ウシッ! ──お次は! ウォークザドッグだ!)

キュルルルーッ!

銀(へへっ、最高のバッグスピンで犬の散歩も成功ってね!)

…パチパチパチ

少女「……」パチパチパチ

銀「あ、どうも、です」…ペコリ

銀(……あちゃー、誰も居ないと思って油断していたら女の子が一人居たのか……。一人ではしゃいでいる恥ずかしいところを見られた、よね……?)

少女「……ヨーヨー。凄かった……」

銀(あー、つまり一部始終、見ちゃったわけですね……。しかも、気を遣ってわざわざそんな台詞まで!)

銀「あははっ、粗末な技を見せてしまってごめんねー……」

少女「……」フルフル

少女「……他にも。できる?」

銀「え? 他にも? ……はい! アラウンド・ザ・ワールド!」ハッ!

セカイイッシュウ! シュルルー!

少女「……おぉ……!」パチパチパチ

銀(しきりに目を輝かせてくれるのが嬉しくて、アタシはついつい色んな技を披露してしまう。──そんなこんなで、気付けばそれなりの時間が過ぎ、空がすっかり真っ赤に染まっていた)

銀「いやー、アタシってば本当に調子に乗りやすくて困っちゃうよねー? その……いっぱいつき合わせてしまって、ごめんなさい」ハンセイ

少女「……ううん。楽しかった」

銀「え、そう……? はっ! 実は見る人を魅了させる超絶美技をアタシは披露してしまっていたとか!?」

少女「……そこまでは。言ってない……」

銀「ですよねー」シュン

少女「……」クスッ

少女「……よくこの公園。……来る?」

銀「うーん、買い物とかで通りかかるけど、遊びに来たのは結構久しぶりかな?」

少女「……そう。じゃあまた会える。……かもしれない」

銀「はっ!? やっぱりアタシのヨーヨーが魔性の魅了を秘めているから……!」

少女「……そこまでは。言ってない」

銀「あ、はい、すみません。その、調子に乗っていました、はい」シュン

少女「……」フフッ

少女「……それじゃあ。……またね」

銀「あ、うん。アタシに付き合ってくれてありがとね!」

少女「……」バイバイ

銀(アタシも手を振り返し、女の子が少しだけ微笑む。そして、夕焼けの中へと消えて行った)フリフリ

銀「あ」

銀「……折角だから名前を聞いておけば良かったかな」

銀(まぁ、また会った時にでも聞けば良いか)



 ──これは、華とその清廉に憧れた一人の雑草が、再び交錯したその記憶。



【ここまで・くめゆドラマCDも発売予定です!】




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