【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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96:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 18:35:38.16 ID:ZtE3BbpK0

………………

 最初から答えなんて決まっていた。

 王野ゆうきという自分自身が、何をどうすべきかなんて、ずっと前から決まっていたのだ。

「……何を言っている、貴様」

「まぁいいや。あんまり時間もないし、これ以上ユニコを苦しめたくないから」

 ゆうきはさばさばと続ける。

「ゆうき、どうして……?」

 ゴーダーツの手の中のフレンが小さく問うた。それに対し、ゆうきは優しく微笑んだ。

「ごめんね、フレン。わたし、分かったんだ」

「へ……?」

「ねえ、あなた。ゴーダーツさんって言ったよね? 優しさのエスカッシャンを、フレンに返して」

「……何を言っている」

「分からない? あなたがフレンの国から奪ったエスカッシャンを返してって言ってるの」

「……だから何を言っているのかと問うている!」

 ゴーダーツがいらいらしたように叫ぶ。それにともなって、ブレイとフレンを握りしめる手の力も強くなる。

「そう。あなたもデザイアと一緒なんだね、ゴーダーツ。分かったよ。なら……」

「ほう? ならどうすると言う? デザイア様が言っていたぞ? お前のことを腰抜けだと。プリキュアとしての戦いから逃げ出した弱虫だと」

「そうだね。わたしは弱いよ。弱虫だよ。腰抜けだよ。だって、怖いもん」

 ゆうきにとって、そんな言葉は意味をなさなかった。そんなこと、わざわざ言われなくたって、自分でもわかりきっていることだからだ。

「ゆうき……」

「でも、怖いのは怪物と戦うからじゃない。あなたたちアンリミテッドと戦うからでもない。あなたたちの悪意そのものが、怖いんだよ」

「なに……?」

「人と人は想い合って、助け合って生きていくことができるはずなんだよ。それなのに、最初から悪意しかないあなたたちは、怖いよ。そんなの、おかしいよ」

 ゆうきは続ける。

「そして、そんなあなたたちとユニコ――大埜さんが戦うのも、怖いよ。大埜さんはとっても優しいひとなのに、あなたたちアンリミテッドに対してはとっても怖いんだ。わたしはね、大好きな人が、誰かにあんな怖い顔をするなんて、そんなの見たくないんだ」



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