【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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83:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 18:22:15.21 ID:ZtE3BbpK0

「怖くはないの?」

「怖いよ。きっと、とっても怖いことなんだと思う。それでも、戦う」

「でも、相手を傷つけてしまうかもしれないんだよ? 相手が自分に悪意を持って攻撃してくるんだよ?」

「それでも、ゆうきも戦うでしょう?」

「えっ……?」

 意外なことを口にしたあきらは、少しだけ笑っていた。

「どういうこと?」

「ゆうきのこと、もちろん全部は分からないけど、それでも分かるよ。ゆうきは戦う」

「どうしてそう思うの?」

 どうしても知りたかったから、ゆうきは真剣な顔をしてあきらに詰め寄った。けれど当のあきらはゆうきから目線を逸らし、どこか遠くを見た。そして、驚いたような顔をする。


「……あ! 近所の小学生がネコをいじめてる!!」


「なんですって!?」

 バッと急き込んで振り返る。しかし、そこには子どももネコもいない。キョロキョロと見回すが、そんな場面はどこにもなさそうだった。

「ふふっ、昔から、こういうのに引っかかりやすいんだから」

「あ……! あきら!! ふざけないで!」

「でも、分かったでしょ?」

「え?」

 あまりにも自信満々なあきらの顔に、怒る気さえ削がれてしまう。

「分かったでしょって、何が?」

「ゆうきは今、わたしが “小学生がネコをいじめてる!” って言ったのを聞いて、どうしようと思ったの?」

「それは、もちろんそれを止めて、ネコを助けて、小学生を叱るためだよ」

「でしょう? ゆうきは誰かを助けるだけじゃなくて、悪い方もしっかりと叱ってあげるつもりだったんだよね」

「え……?」

 ゆうきの親友。ずっと昔から一緒に遊んできたあきらは、にっこりと、きっとゆうき以外には見せない笑顔を浮かべた。



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