【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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79:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 18:18:41.46 ID:ZtE3BbpK0

………………

「…………」

「……王野さん、帰って来ないわね」

「……ふん」

 この日は学期はじめのだから、午前授業で、その後はすぐに放課だった。めぐみはフレンとふたりきり、教室でゆっくりと話をしていた。

「ブレイったら、いやに静かだと思ったら、授業中はずっと寝てたニコね」

 フレンは憮然と言った。

「暢気なものニコ。自分のプリキュアが、やめてしまうかもしれないのに……」

「……フレン。今朝のこと、まだ怒ってるの?」

「…………」

「仕方ないわ。いきなり戦うなんて、誰にだってできることじゃないもの」

「……ゆうきは、プリキュアをやめちゃうニコ?」

「分からないわ」

「ニコぉ……」

 そのときだった。教室前方の引き戸が、力なく開かれたのだ。フレンは直立不動のぬいぐるみのフリ。めぐみは慌ててそちらに目を向ける。

「あれ……? 誰もいない?」

「いるグリ……」

 下の方から小さな声が聞こえた。誰もいないように見えた引き戸の向こう、ずっと下の方に小さなぬいぐるみのような姿がある。

「ブレイ!」

 ピョンとひととび、フレンは慌ててブレイの元に駆け寄った。落ち込んだ顔をするブレイは、フレンを認めた途端、泣きそうな表情をした。

「ど、どうしたニコ?」

「ゆうきが……」

「……王野さんがどうしたの?」

「他に、プリキュアにふさわしい人が、いるって……」

 その声はすでに、涙に震えていた。ブレイが差し出した手には、薄紅色のブレスレットがあった。

「これは、勇気のロイヤルブレスニコ!」



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