【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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78:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 18:17:23.84 ID:ZtE3BbpK0

「ゆうきにも考えがあってそうしたグリ? だったらブレイは、べつに怒らないグリ」

「ブレイ……」

 ブレイの言葉のおかげで、ゆうきは自分のことをもう一度考え直せる気がした。

(昨日……わたしは戦えた。怖かったけど、それでも、隣に大埜さんがいてくれたから、戦えた)

 ならば、今朝のことはどうだったのだろう。

(隣に大埜さんがいた。ブレイもフレンもいた。けれどわたしは……そっか)

 おかしいことなんて何もなかった。やはり、ゆうきは恐怖していたのだ。

「やっぱりわたし、プリキュアにはなれないよ。わたしに勇気なんてないもん。わたし、やっぱり怖かったんだよ」

「ゆうき……」

 ブレイには悪いと思う。できれば力になってあげたいとも思う。

「……ごめんね」

 ゆうきはおもむろに、腕のロイヤルブレスに触れた。パチッ、と小気味いい音がして、ロイヤルブレスは簡単に外れた。

「はい、これ、返すね。きっと、もっと “キュアグリフ” にふさわしい人がいると思うから、その人に渡して」

「ゆうき、でも、ブレイは……――」

「――ごめんね。大埜さんなら、きっと、ブレイたちのことを守ってくれるよ」

 笑って、頭を撫でる。これ以上この子をぬか喜びさせてはいけない。これ以上、この子たちの迷惑になってはいけない。

 ゆうきはそれきりブレイに話しかけることもなく、ブレイを抱えて、そっと中庭をあとにした。



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