【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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>>75タイトルつけ忘れのため再投下 すみません
[saga]
2018/01/07(日) 18:16:04.65 ID:ZtE3BbpK0
………………
新学年が始まってすぐの授業は、午前中だけだ。お昼に帰りのホームルームが終わると、ゆうきはそのままカバンを持って中庭に向かった。
教室を出る直前、一瞬だけめぐみと目が合った。けれど、ゆうきはそのまま、教室を後にした。
「……ねぇ、ブレイ」
「グリ?」
人気のない中庭につくと、ゆうきは優しくブレイを起こして、膝の上においた。日差しは暖かく、ポカポカの陽気だ。世界は明るい。それを再確認したからこそ、今朝の恐怖と困惑が鮮明に蘇る。
ともあれ、ふたりきりになれた今、ようやくブレイとまともに話すことができる。
「ブレイは、わたしを勇敢だって言ってくれたけど、」
ゆうきは言った。
「わたし、やっぱり弱虫だよ。デザイアっていう人を前にして、戦おうとしなかった」
「…………」
「フレンにも怒られちゃった。そしてきっと、大埜さんにも」
「うーん……」 ブレイは考え込むようにしてから、ばつが悪そうに口を開いた。
「ごめんグリ。ブレイは実は、今朝のことをあんまり覚えていないグリ。デザイアが怖くて……」
「そう……」
「グリ。だから、少なくとも、ブレイはゆうきを弱虫なんて言ったりできないグリ」
それは違う、とゆうきは思った。だって、めぐみは違ったから。めぐみは、怖がるフレンをなだめ、激励し、なんとかしようと懸命だった。そして実際、めぐみはフレンに戦う意志を持たせたのだ。それはゆうきには、王女を支える忠実な戦士のように見えて、それがプリキュアの正しいあり方なのだろうと思わされたのだ。
「……わたし、やっぱりプリキュアに向いてないのかな」
「そんなことはないグリ! だって、勇気のロイヤルブレス、そして勇気の紋章は、ゆうきがキュアグリフだって言ってるグリ!」
「でも、わたしは戦おうとしなかった。ブレイたちの世界を壊した、その張本人を目の前にしても、わたしは戦おうとしなかったんだよ?」
「でもそれは、“怖かったから” というわけじゃないグリ?」
ブレイの純粋な瞳がゆうきに問いかける。
「それは、違うけど……」
思い返す。ゆうきはデザイアのことを、怖いとかそういう風には思わなかった。ただ単純に、話し合うことはできないかと、そう思っただけだ。
ならば今朝、デザイアと出会って感じた恐怖は、一体何だったのだろうか。
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