【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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69:名無しNIPPER[saga]
2017/12/31(日) 10:26:22.85 ID:0m/dVbvg0

「ど、どうやって……!?」

「先ほども言っていたはずだが? 私はアンリミテッド最強の騎士、デザイアだとな」

 デザイアの声には嘲弄する響きすらあった。それは、ふたりを敵とみなしてすらいない、そんな声色。

「断言しよう。貴様らでは私には勝てぬ。特に、」

 ふと、その目線がゆうきに集中する。たじろぐゆうきに、デザイアはやはりあざ笑うように。

「そんな腰抜けがいるのでは、貴様らに勝ち目はないであろうな」

「っ……」

「では、失礼する。また後ほど私の部下が貴様らを狙うだろう。そのときまでには、戦う覚悟くらいは決めておくのだな」

 デザイアがマントを翻すと同時、その身体がモノクロの世界に溶けるように消えた。そして世界は色を取り戻す。草木も校舎もその姿を取り戻し、どこか薄ら寒い静寂が、心地のよい中庭の自然音に満たされていく。

「消えた……本当に様子を見るだけのつもりだったのね」

「…………」

「それで? どういうつもりだったのかしら? 王野さん?」

「……わたしは、戦いなんてしたくない」

「さっき、フレンたちの力になってあげたいって言ってたのは、嘘なの?」

「嘘じゃないよ! 力になってあげたい! でも……」

 ゆうきは、訝しむような表情のめぐみに必死に訴えた。

「わたしは、相手に仲良くしたいって伝えもせずに戦うなんて、そんなことしたくない! 話し合えるなら、言葉が通じるなら、言葉をかけるべきだよ!」

「相手にそれを聞く気はないみたいだったけれど」

「それは……」

 めぐみの言葉に、ゆうきは返す言葉を持たない。デザイアがエスカッシャンを素直に返してくれることがありえないと、すでに分かっていたからだ。



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