【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
↓
1-
覧
板
20
641
:
名無しNIPPER
[saga]
2018/06/24(日) 10:13:10.48 ID:sW82/1G70
…………………………
朝の学年の打ち合わせが終わり、皆井先生はHRに向かっていた。
昨日は本当にほぼ一睡もできていないのだ。
その上、昨日のショックがまだ残っている。
松永先生と誉田先生がどういう関係なのか、問いただす勇気もなくて、聞けてはいない。
たとえ、「ただの幼なじみ」という返答が返ってきたって、きっとふたりの気持ちはそれだけではないだろう。
ならば、皆井先生に割り込む余地などないのだ。
「……それでも、好きでいさせてもらうくらいは、いいだろうか」
呟いてから、いつの間にか2年B組の前まで来ていることに気がついた。皆井先生は両手でぱしんと頬を叩く。昨日の反省を生かさねばならない。生徒の前で、気落ちした姿を見せるのは、教員としてあるまじき姿だ。
「私のことなど生徒にとってはどうでもいいことだ」
そう。生徒にとって、教員は信頼できる大人でなければならない。それは、少なくとも、皆井先生にとっては、絶対のことだ。
生徒を不安がらせたり、ましてや生徒に心配されるようなことはあってはならない。だから、皆井先生はできるだけ普段通りの笑みを浮かべて、努めて明るく教室の戸を開けた。
「みんな、おはよう!」
『おはようございます!』
「うおっ……」
驚いた。普段ならば、始業のチャイムが鳴る前に生徒たちが着席していることなどない。なぜなら、皆井先生自身が、朝のHRに担任が来て、始業のチャイムが鳴ったら着席をしなさい、と指導しているからだ。
しかしどうだろう。この日は、全員が揃ってピシリと、姿勢正しく席に着いているではないか。その上、普段なら空回り気味の皆井先生のあいさつに、全員がそろってあいさつを返してくれたのだ。
「ん、えっと……みんな、どうしたんだ……?」
困惑しつつも、皆井先生は教壇に立つ。出席簿を教卓において、改めてクラスを眺める。今日は空いている席がないから、遅刻や欠席の生徒はいないようだ。不思議なのは、全員が皆井先生をまっすぐ見つめていることだ。
(な、なんだろう……。ひょっとして昨日の私の態度に怒っているのだろうか……)
皆井先生の胃がキリキリと痛み始めた頃、教室の一角がにわかに活気づき始めた。
「……ほら、いってらっしゃい、リエさん」
「で、でも。やっぱりこういうのって、会長が行った方が……」
「いいんだよ。リエさんが“何かをしてあげたい”と言ってやったことなのだから、リエさんが渡すべきだ」
話しているのは生徒会長の騎馬はじめと、大きなリボンが可愛らしい佐藤リエさんだ。やがて、はじめに促されて、リエさんが立ち上がった。その手には四角い板のようなものがある。リエさんがおずおずと近づいてきて、その板のようなものが色紙だとわかった。
「……あ、あの、皆井先生」
「あ、ああ。なんだい?」
元々、リエさんはおとなしいタイプの生徒だったはずだ。皆井先生はそのおとなしい生徒の突然の行動に戸惑いながらも、しっかりとリエさんと向き合った。
「これ、みんなで書いたんです。色紙は会長が買ってきて、みんなでお金を出し合いました」
リエさんはそう言うと、色紙を皆井先生に差し出した。皆井先生は賞状を受け取るように、両手でその色紙を受け取った。
何が起きているのか分からなかった。
その色紙の上に踊る、多くのメッセージを見てもまだ、現実感が湧かなかった。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
書[5]
板[3]
1-[1]
l20
【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】-SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513432793/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice