【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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63:名無しNIPPER[saga]
2017/12/31(日) 10:20:07.76 ID:0m/dVbvg0

「それに、これはもうふたりにとっても他人事じゃないグリ」

「え……? どういうこと?」

「さっきも言ったニコ。アンリミテッドは何を手に入れても決して満足することはないニコ。すべてを飲み干すそのときまで、アンリミテッドの欲望は止まらないニコ」

「……まさか、この世界も、アンリミテッドの標的だってこと?」

「その通りニコ。ここは、ロイヤリティでは希望の世界 “ホーピッシュ” と呼ばれていたニコ。このホーピッシュもまた、このままでは闇の欲望に飲み込まれてしまうニコ」

「そんな……」

 ゆうきはもちろんただの中学生で、世界が何かに飲み込まれる様子なんて想像もしようがない。けれど、自分の大切な人たち――家族、友達、たくさんのお世話になっている人々がいっ
ぺんにいなくなることを想像したら、一気に心が寒くなった。

「……それを阻止するためにも、戦わなくちゃならない。そういうことね」

 すぐ傍らからそんな力強い声が聞こえた。アンリミテッドの存在に恐れおののくゆうきのすぐ隣で、めぐみは毅然とした表情で、ブレイとフレンを見つめていた。

(……怖がってる場合じゃない。わたしたちは、この世界を守らなくちゃならない。そして、)

 ブレイとフレンを見つめる。たぶんこのふたりは、まだ小さな子どもだ。けれど、小さい身体で、この世界にやってきて、自分たちの世界を取り戻そうと必死になっている、ふたり。

「……そして、わたしたちがロイヤリティを取り戻す。約束するよ、ブレイ、フレン」

 そんなふたりを前にして、自分が怖がっていてどうする。勇気を買われたというのに、そんなていたらくでは、いけない。

「だから安心して。わたしたちが、あなたたちを守るから」

「ゆうき……」

「そうね。この子たちのことも、私たちが何とかしてあげなくちゃならないわね」

「めぐみ……」

 世界がどうなるかなんてわからない。想像することすら難しい。それでも、いま目の前で助けを求めているふたりを助けてあげたい。鈍くさくて、天然なんて言われる自分だけれど、力
になれるのならなってあげたい。

「わたし、ちゃんとプリキュアできるか分からないけど、精一杯がんばるから」

「私も、できる限りがんばるわ」

「ふたりとも、ありがとうグリ!」

 感極まったのか、ブレイがゆうきに飛びついてきた。ゆうきはそれを受け止めて、にこにこと笑い合う。

「ふ、ふん。感謝してあげないこともないけど……ありがとニコ」

「ふふ……」

 めぐみもまた、和やか顔をしてフレンの頭を撫でる。顔を赤くしながら、けれどフレンもまんざらではなさそうだ。



 ――そして、世界がモノクロに染まる。




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